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修斗の誕生日 4

修斗さんへのプレゼントをバッグにしまい、俺は意気揚々と学校へ向かった。 修斗さんを迎えに行くために── 本当は校門の前で待っていて、修斗さんを驚かせたかったんだ。でも俺、私服姿だし他の生徒に見られても恥ずかしいし……しょうがないから修斗さんにメッセージを入れておくことにした。 『いつものコーヒーショップで待ってますので来てください』 学校を出て比較的すぐの場所にコーヒーショップがある。 大きな通り沿いで修斗さんの帰宅方向にあるから、二人で帰る時に寄る事が多い店。ここなら修斗さんもすぐに分かるはず。 俺は携帯をポケットにしまって、コーヒーショップの入り口にこの日のためにピカピカに磨いた俺の愛車を停め店内に入った。 カフェオレを買ってから、通りが見える窓際の席に座って携帯の画面を眺める。程なくして既読の文字が付き、修斗さんがメッセージを読んでくれたのがわかった。 でもなかなか返事が来ない…… あれ? いつもならすぐに返事が来るのにな。 でも読んでくれてるし、来てくれるよね? 俺、予めこの日の約束をしてなかったけど……まさかもう既に先約が入っててどこかに遊びに行っちゃったとか? やべぇ。失敗した! どうしよう…… 修斗さん誕生日だし、俺は当たり前に二人で過ごすつもりでいたけど、よくよく考えたら修斗さん人気者だし、俺以外にもお祝いしてあげたいって思う奴だってきっと沢山いるはず。 しまった! 大失敗だ! 先に約束しておくんだった! 最悪の事態を想像して、俺は慌てて店から出た。 ……と同時に、道の向こうから修斗さんが一人歩いてくるのが見えた。 よかった一人だ。 心なしか怒ってるような怖い顔に見える修斗さんが近づいてくる。 俺の事には気づいてないみたいで、視線も上げずに黙々と歩いている修斗さんのかっこよさに、俺はしばらくの間見惚れてしまった。 赤信号で修斗さんが立ち止まり、ぼんやりと顔を上げるとやっとこちらにいる俺と目が合った。 俺は嬉しくて修斗さんに手を振り笑いかけるも、修斗さんは笑ってくれない。少しの間横断歩道を挟んでお互い見つめ合っていると、突然知らない男が二人、修斗さんに駆け寄ってきた。そして羽交い締めにしながら強引に後ろ側の路肩に寄せてあった車に修斗さんを押し込んだ。 あっという間の出来事── 黒塗りでいかにも悪そうなその車は、青信号になるや否や結構なスピードで走り去って行ってしまった。 え? え……? 修斗さん……はっ? 俺が考えていた最悪の事態を上回る、予想だにしなかった更に最悪な事態に、俺の頭はパニックに陥った。 え? 何? 何で? 修斗さん……攫われた???

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