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高坂と志音 小旅行⑥

少し焦がしてしまったビーフシチューを二人で食べる。 食べ盛りな志音に足りたかどうか聞いてみると、大丈夫だし、いちゃいちゃしたいと言われてしまった。 今ここにいる志音は、俺が赤面してしまうくらい素直だ。 ソファに座る俺は、おいで……と言い志音に向かって手を広げる。すると子どものように俺の胸に顔を埋めて擦り寄ってくる志音。 こんな姿はきっと誰にも見せたことがないんだろうな…… 本当の親を知らない志音、育ての親には酷い扱いをされ、どんな気持ちで幼少期を過ごしたんだろうか。それを思う度に俺は胸がしめつけられる。 ……思いっきり甘えていいんだ。 志音が素直に擦り寄って来るときは、俺は気が済むまで抱きしめて頭を撫でてやる。 少しでも辛かった記憶が薄れていくように願いながら。 俺にすっかり体全体を預け寄りかかっていた志音が、体に回した俺の手を弄びながら思い出したように話し出した。 真雪さんから突然もらえた二連休の話。 連休は俺が真雪さんに頼んだことだということと計画していた旅行の話をしたら、目をキラキラさせて大喜びしてくれた。 嬉しさのあまり首に抱きつきキスまでしてくれて…… 「俺……仕事であちこち行った事はあるけどさ、プライベートで旅行なんてした事ないよ! 電車? 車? うわぁ! 嬉しい!」 ここまで元気に喜んでもらえるとは思ってなかったから、思わず笑ってしまい志音の事を抱きしめた。 「お前、どんだけ可愛いんだよ。参ったな…… 車だよ。楽しみだな。あと今日は俺もごめんな。ちょっと言い方冷たかったよな」 そのまま志音に体重をかけ押し倒すと、ビクッと体を震わせ頬を染める。 俺はすぐに堪らなくなり、志音にキスをしながら服の中へ手を忍び込ませた。 「な、なんだよ……急に……んんっ、待って……やっ 」 俺のキスで感じ始めている志音が慌てた様子で体をくねらす。 「だめ……待てない。志音が可愛いのがいけないんだ……」 志音のソファは大きめだけど、大の男二人でイチャイチャしてればそりゃぁ狭い…… それでもベッドへ移動するのももどかしく、志音のキツそうにしているズボンのベルトをカチャカチャと外した。 俺の胸にしがみついてる志音の額にキスをして下着の上からそこを摩ると、大袈裟なくらいビクッと体を震わせる。 「……だめ? 限界?」 「はぁ……だって久しぶりなんだもん……気持ちよすぎてどうにかなりそう……」 「じゃぁ、どうにかなっちゃえよ…… 」 俺は下着と一緒に一気に脱がすと、そのままそこを口に含んだ。 「あっ……やだっ……だめ……ちょっ……マジで……やっ……ああっ……ひぁぁ…………んぁっ……んんっ!」 本当に限界だったみたいで、俺が口で少し激しく扱いたら呆気なくイってしまった。志音の顔を見ると、真っ赤な顔で涙目になって俺のことを睨んでる。 「もう! ダメって言ったのに……すぐイっちゃったじゃん。ごめんね。陸也さん……」 「なんで志音が謝る? それに一回イったからっておわりじゃねぇよ?……ほら、まだこんなに固い」 志音のそれを手で弾くと、ペチペチと腹を叩いて音を出した。 「もう、やめて……恥ずかしい 。陸也さんも……もうこんなになってる」 志音は舌をぺろっと出して、俺の上に跨った。 ……エロい顔。 そのまま志音に俺も呆気なくイカされて、結局ベッドルームへ移動して今までご無沙汰だった分俺たちはたっぷりと愛し合った。

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