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高坂と志音 小旅行⑩
ホテルに戻り、部屋へ案内される。
先生がとってくれた部屋は最上階の露天風呂付き特別室だった。
「凄い……部屋に露天風呂ついてる!」
露天風呂を見るためにテラスに出ると、そのテラスの広さとそこからの眺めにテンションが上がった。
「陸也さん来て! 見て! 凄いよ! さっきの七夕祭りがよく見える! 綺麗!」
「志音、子どもみたいだぞ。どんだけはしゃいでるんだよ。可愛いな」
不意に後ろから抱きしめられドキッとする。
「早くその浴衣、脱がせたくてしょうがなかった」
スッと先生の手が俺の胸元に滑り込んできた。
「んっ…… 」
ただでさえ後ろから抱きしめられてゾクゾクしてるのに、先生の手がいやらしく胸元を撫でるから、また俺は力が抜けてしまい先生に寄りかかってしまった。
「や……ちょっと待って…… 」
全然力が入らず振り返るとキスをされる。
「志音、すぐ待ってって言うんだな……俺が待てないの いい加減わかれよ」
鋭く見つめられ、胸がドキドキする。だって先生いつもと違って浴衣なんか着てるから……物凄い色気でドキドキするじゃんか。
俺は先生の方へ向き直り、頭に手を添えて自分から唇を重ねた。
「わかってるよ……わざと言ってんの」
いつも俺ばっかやられてるようで悔しいから強がってみる。先生は「生意気……」と呟きクスッと笑った。
二人で抱き合いながら部屋に戻り、仕切りの奥にあるベッドへとなだれ込む。肌蹴た浴衣の合わせから、俺にかぶさる先生の足が割って入り強引に押し広げられた。それだけで俺は自分じゃないみたいな声を漏らしてしまう。先生に「感じやすい」だの「声が大きい」だの散々言われたけどさ、しょうがないじゃん。気持ちいいんだもん……
「今日も感度良好。志音可愛い」
いやらしく舌舐めずりをした先生は、俺の浴衣の帯を緩め直接肌に唇をあてる。
「乱れた姿が凄えエロいな…… 」
浴衣のせいか、先生はいつも以上に荒々しく俺を愛撫する。
「や……陸也さん……あっ……あっ、ダメ……んっ…… 」
俺は先生の手の中で呆気なくイかされてしまった。
「あんまり激しくすんなよ……イっちゃったじゃんか。先生のスケベ」
いつもすぐにイかされてしまう俺はちょっとムッとするも、お返しにと先生の上に跨り浴衣を脱がせた。
甘いマスクの見かけによらず、逞しく鍛えられた胸板に顔を寄せ口づけると先生も切なく吐息を漏らした。
「……乳首感じるの?」
「志音にならどこを触れられても感じるよ……」
そう言った先生は俺の手を握り、自ら固くなってる中心部へと誘う。
「もっとよくして」
艶っぽい瞳で俺を見つめ、握った手を上下した。
「陸也さん……やらしい」
「ふふ、志音に言われたくないね」
そのままゆっくりと先生のそこを緩々と扱き、俺は口に含んだ。
一瞬ビクッと体を震わすと、先生は俺の頭を優しく撫でてくれた。それがまるで褒められてるようで嬉しくなる。
もっと撫でて……
気持ちいい?
俺のこと好き?
先生大好き……
目を閉じて、先生のものを愛しむように舐め回していると先生は俺の両頬に手を添えて腰を引いた。
「ダメ……今日の志音は特別にエロく感じてすぐイっちゃいそう」
「なにそれ、ずるいよ。イっちゃっていいのに…… 」
「志音の中、早く挿れたい……」
もう、なんだよそれ……反則。
その一言でまた一気に中心部へと熱が集まる。
俺は自ら先生の滾ったそれをアナルへあてがい、ゆっくりと腰を下ろした。
「んっ……志音……やば…… 」
腰を落としきる前に堪らなくなった先生が下から突き上げてくるもんだから、俺は堪えきれずに抱きついてしまった。いくら俺がリードしようと結局は先生の好きにさせてしまうんだ。
先生に跨っていた俺は押し倒されされるがまま……
お互い夢中で欲を発散し、抱き合いながらキスをし合う。どんなに激しくされようと、どんなに快感に泣かされようと、先生からの愛情が溢れるくらい注がれるのがわかるから俺は世界一幸せだって思えるんだ。
それでもやっぱり、いつも先生は激しいから終わってみれば疲労困憊……
「よかった! ねぇ、気持ちよかった? 志音好きだよ……大好き」
疲れてぐったりする俺とは逆に、先生は終わってからも元気に俺に纏わりついてくる。俺の顔に擦り寄ってくる先生の頬を押さえ、俺は適当にキスをした。
「もう……ちょっと暑苦しいから……なんでそんなに元気なの?」
「いや、だってこの旅行楽しみだったし、志音も喜んでくれたし、浴衣エロくてカッコいいし……なんか色々思い返したらテンション上がった」
……どっちが子どもだよ。
「陸也さん大丈夫?……あ! ねえ、風呂入ろうよ、露天風呂」
先生にもう一度軽くキスをして、そのまま手を繋いでテラスへ出た。
少しだけ日が落ちて、風が通って気持ちがいい。
お湯に浸かりながら、俺は改めて先生にお礼を言った。
「今日は連れてきてくれてありがとう……あと、あの短冊……凄い嬉しかった。ふふっ……長生きしてよね」
照れ臭くてちょっと冗談まじりで気持ちを伝える。
「ジジイ扱いすんなよ。でもほんと、俺にとって志音が全てだから。ずっと一緒にいてくれよな?」
「うん……勿論そのつもりだよ。ありがとう」
後ろから抱きしめてくれる先生に振り返り、また俺はキスをした。
── 高坂&志音 小旅行 終わり ──
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