67 / 210

康介の誕生日①

もうじき康介の誕生日がやってくる── 去年はまだ俺たちは付き合ってもなくて、でも康介の気持ちには何となく気がついていた。 何とか強引に外に連れ出して、一緒に公園でドーナツ食ったり映画を見たり……デートみたいに二人で過ごした。映画見ながら康介は爆睡してたけどね。そして誕生日を知っていた俺が康介にサプライズ的にプレゼントを渡したんだ。 照れながら嬉しそうにしてくれた康介。 あの時プレゼントしたピアスは今日もしっかり康介の耳に光ってる。 俺とデートの時は必ずつけてくれるのが嬉しくてなんだか擽ったかった。 でも今回はもう誕生日だってことはわかってるし、サプライズはできない。でも何かしてやりたくて俺はずっと考えていた。 俺はベッドに座り漫画を読んでる康介の隣に座り、肩に頭を乗せる。 「ねぇ、さっきから漫画ばっかり。かまってよ」 わざと頭をすりすりと康介に擦り寄せる。 「………… 」 あれ? いつもなら恥ずかしがったり邪魔すんなってイラついたりすんのに…… 「康介?」 すりすりし過ぎて康介の太腿まで頭が落っこちて膝枕状態になっている俺の額に、康介がそっと手を添える。 「もう……なにやってんすか。修斗さんが何か考え事してるから俺、漫画読んでたんですよ?……考え事終わった? 俺の方こそかまってよ……」 急に色っぽい顔をして、俺に顔を寄せキスをした。 「んっ……あ…… 」 キスをしながら頬に添えられていた手が耳を掠め、指先が外耳をスッと撫でる。康介は俺が耳弱いのを知っててわざとこういうことをするんだ。 「康介……したいの?」 下から康介の顔を覗き込む。 康介はわかりやすい。 俺のことを見つめる康介の顔……返事なんて聞かなくてもエロい気分になってるのなんて見てわかった。でも俺が「したいの?」なんてストレートに康介に聞いたから、いつもの調子で恥ずかしがってわたわたと慌て始めてしまった。 「したいの? って何がですか?……って、何をですか? もう、修斗さんっ何言ってるんですか!」 「だって、俺の頭に固いもん当たってるし。ほらここ……これは何だろう? 」 後頭部に触れる康介の硬くなってるそこを、わざと頭でグリグリと押した。 「ちょ! 修斗さんっ、あっ……そんな事しないで……あぁ、ダメダメ、うぅ…… ん」 困った様に悶えてる様子が可愛い。 康介は必死に俺の頭を退かそうと腰を引き、頭を手で押してくる。 「痛いっ、首もげるじゃん!」 わざとそう言ったら慌てて俺の首をさすってくれた。 「あ! ごめんなさい……痛かった? 大丈夫?」 「すげえ痛かったから! もっかいキスして。そしたら許してあげる」 「修斗さん……」 甘えるように見つめてから目を瞑ると、康介はまた優しくキスをしてくれた。

ともだちにシェアしよう!