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屋上その後③/やっと二人きり
「なんでって……寂しかったんだもん。ごめんね康介」
「………… 」
振り返ると上目遣いで俺を見つめる修斗さんと目が合った。そりゃ寂しい思いさせたのは俺だし、でも……
「そんな可愛らしい事言ったってダメですよ!」
俺が言うと、悪戯っぽく笑みを浮かべ肩をすくめる。そんな仕草がたとえ狙ってるわけでなくてもやっぱり可愛いと思ってしまう。心底惚れてしまってるんだからしょうがない。
気を取り直してまた修斗さんの手を握り、コンビニに入り食料を買った。
やっぱりちょっと苛々する……
また静かになってしまった修斗さんと手を繋ぎ、コンビニを後にした。
俺がちゃんと捕まえておかないと、きっとまたこの人はどこかへ行ってしまうかもしれない。そう考えたら自然と握る手に力が入った。
ホテルの一室に入ると突然修斗さんが俺の背中に抱きついてきた。
「……康介、怒ってる」
俺の肩に顔を埋めたまま、ごにょごにょと喋る修斗さん。
「怒らないで。俺がバカだったんだってちゃんとわかってるから。一番わかってて情けなく思ってんの俺だから……ごめんね」
俺がイラついてるのが伝わってしまったんだ。
怒ってないよ。俺も自分の不甲斐なさにイラついているだけだから。
また修斗さんを責めて泣かせたいわけじゃない。
「怒ってないです。修斗さん? 顔見せてよ。やっと……やっと存分に修斗さんのこと、触れる」
やっと二人きりの空間。
誰の目も気にならない。
振り返り修斗さんの顔を見つめ、そしてきつく抱きしめ唇を重ねた。
「んっ……康介……んん……ふっ……んっ」
止まらない……
俺の強引なキスで苦しそうにしている修斗さんを見てゾクゾクと興奮する。重なる唇の間から熱い吐息が漏れ落ち、確認し合うように絡まる舌に更に息が上がった。
カクンと膝を折る修斗さんの腰を抱き、支えてやりながら俺は貪るようにキスをした。
キスだけなのに、修斗さんもうこんなになってる……そう思ったら堪らなかった。
「……っは、待て……康介、ストップ……んっ……やっ……待てって…」
力が抜けた修斗さんが座り込むから、そのまま俺は修斗さんに跨り押し倒す。強引に修斗さんのシャツのボタンを外し、隙間から手を滑らせた。
「ひっ……康介やだ……ここ床、ベッド行こ……待って……ひぁっ…… 」
久しぶりの修斗さんの素肌。
柔らかくてあたたかい。修斗さんの体温を感じる。その胸に顔を擦り寄せ少しの間鼓動を感じた。
本当に修斗さんだ……
やっと俺のところに戻ってくれた。
修斗さんの匂い。
「康介……子供みたいだな」
クスッと笑って、修斗さんは胸に顔を埋めるそんな俺の頭を撫でてくれた。
母親が子にするように、よしよしと優しい手が俺の髪を撫でた。
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