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屋上その後⑦/拘束

「修斗さん? あれ? 何か間違って俺についちゃった……」 片方の手に気を取られていた俺は、もう片方の手を修斗さんに握られてることは気にもとめずに修斗さんを見る。修斗さんは修斗さんで、そんな俺の事を無視して首筋やら耳やらにキスしてくるので俺もそれに応じた。 「いつの間についたんだろう。ほら修斗さんつけてあげるから手を出してください」 俺は修斗さんに手枷をつけるため、自分の手首の手枷を外そうとそれに触れる。そしたらすかさず修斗さんに止められた。 「いいんだよ。今日は康介がつけるんだから。外しちゃダメ……ね? 俺の言う事聞いてくれたらイイことしてあげる」 ……? 小悪魔な笑みを浮かべ、修斗さんはベッドに座れと俺を促す。 修斗さんのこの表情、可愛くて大好き……俺は言われるがままそこに腰掛けると、修斗さんが俺の上に跨ってきた。 へ? 修斗さんがとってもエッチだ! 両手を捕まえられキスをされる。馬乗りの修斗さんがニヤリとして俺を見下ろすのが腰にくる。 ヤバい……興奮! 俺は修斗さんに優しく押し倒され、あっという間に両手を拘束され軽くバンザイのポーズにさせられた。 「………… 」 あれ? 何で俺? 「ねえ、何で俺が拘束されてんすか?」 修斗さんはベッドから離れ、ぽかんとして俺を見る。 「なんでって、言ったじゃん。今日は康介だよ。俺じゃない……目隠しもするとね、いつも以上に興奮するから。たっぷり可愛がってやるから待ってろ」 「……へ?」 えっ! え??? 「待って? 俺じゃないでしょ! 修斗さんでしょ!……マジかよ! 取ってこれ! ねぇ修斗さんってば……あっ……やべえ、これ取れねえ…… 」 やっと状況を理解した俺は慌てて手枷を外そうと試みるが、既に両手を拘束されてる俺は何もすることができずに、ただジタバタするしかなかった。そんな中、タオルを手にした修斗さんがベッドに戻り、俺に跨る。優しく頬に手を添えてゆっくりと顔、首筋、耳、胸……とキスを落とした。 「そんなに暴れると手首痛めちゃうよ? 大人しく観念して」 そう言った修斗さんは俺の唇を塞ぐ。 いつも思うんだけど、修斗さんってキスが凄え上手なんだよな。唇は薄いのに柔らかくて……舌が長いのかな? こうやって舌を絡められるとゾクゾクしてきて……あぁエロいな。堪んない。気持ちいい…… うっとりと修斗さんにキスをされていたら、いつの間にか目隠しまでされていた。 いつの間に…… ちょろすぎだろ、俺のバカ。

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