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バレンタイン大作戦④/ずっと変わらず愛してる

テーブルに置かれた小箱は俺へのプレゼントだった。 「開けて」 「あの……ごめん、俺からは何もなくて」 そんなのいいから、と急かされた俺は直樹の見つめる前で包を開ける。 中に入っていたのはキーホルダーだった。 「それお揃いなんだよね」 照れ臭そうに笑う直樹が、この部屋の鍵のついた色違いのキーホルダーを プラプラとさせている。 「……ありがとう」 何だか本当に今更なんだ。 恋人同士なんだと自覚した途端、すごく恥ずかしくてドキドキする。二人してもじもじしながら、ちょっと変な雰囲気でガトーショコラを食べた。 「うめえ! 祐飛に手伝ってもらって正解だったな」 食べ始めてすぐ、直樹が嬉しそうに声を上げる。相変わらず口にチョコをつけて喋るから、お陰で緊張がとけ俺はいつもの調子に戻ることができた。 「口に入れたまま喋らない。ほらまた汚して……」 「うおっ! 待ってそれ雑巾じゃね? くせえって」 いつものように楽しくお喋り。 そう……今迄と同じ。いつもの直樹だ。 あっという間にペロリと平らげ、俺は二人分の皿を洗う。カップを下げに来た直樹が俺の背後に立った。 「祐飛……」 ボソッと俺の名を呼び後ろから抱きついてくる。 せっかくいつもの調子に戻れたのに、またドキドキが強くなる。直樹の息が首にあたる。自分も呼吸が荒くなるのを、唇を噛み締めてどうにか堪えた。 「祐飛、今日はありがとう。何も焦らなくて大丈夫だからね。俺は初めて祐飛と会った時からずっと変わらず愛してるから」 愛してるとか言っちゃって…… 「クサいセリフ。気持ち悪い」 「あ、ごめん」 シュンとする直樹に、振り返り笑いかけた。 「大丈夫だよ。ちゃんと覚悟できてるし……直樹とならもう怖くねえから」 長い間待たせてごめんな。 俺は今度は自分から抱きつき、涙目の直樹にキスをした。 ── バレンタイン大作戦 終わり ──

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