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周&修斗 一泊だけの共同生活 ⑦

「なあオイ、ちょっと呑みすぎじゃね? どんだけ買ってきたんだよ」 気がつけばテーブルの上にはビールの空き缶やら酎ハイの缶やら散乱していて、修斗は今度はワインを開けようとしていた。さっきから呂律もまわってない感じだし、こんなになるのも珍しい。 「いいじゃん、明日は休みだろ? ゆっくりさせてよ。でも眠くなってきちゃった……」 ふわふわとグラスにワインを注ぎ、俺に寄りかかりながら危なっかしくワインを煽る。普段修斗は呑んでてもあまり変わらず、寧ろ強い方だ。それなのにこんなになってんのはきっとアホ康介のせいだ。飯は美味かったけど、散々愚痴を聞かされ振り回されてる感がちょっと納得いかない。寄りかかられて重たいし、愚痴なんだか惚気なんだかも面倒くせえ。まあこのまま寝ちまったらそのままでもいいよな? 風邪ひくような季節でもねえし……そんな風に思っていたら修斗が起き上がり、フラフラと俺の部屋に消えていった。 「おい、どうした?……修斗?」 まさかと思って追いかけると、ちゃっかり俺のベッドに潜り込んで今にも寝そうになってる修斗の姿が目に飛び込んでくる。 「マジかよ? おい! ここで寝るなって!……修斗」 こいつはいっつもこうだ。遠慮ってもんを知らない。圭さんの家や靖史さんの所に泊めてもらう時なんかはちゃんとしてんのに、俺だとこうも図々しい。 「お前はソファで寝ろよ、ほら……おいって!」 俺の呼びかけを無視するように布団に潜り込む修斗に呆れかけたその時、ボソッと小さく修斗の声が聞こえてきた。 「……俺、モデルの仕事続けてたらそのうち康介離れてっちゃうのかな」 「………?」 今度はいじけ虫かよ。 「修斗? とりあえず起きよっか? お前が寝る場所はここじゃねーから」 ぽんぽんと軽く布団の膨らみを叩くと、ニョキッと修斗が顔を出した。 「それいいな。もっとぽんぽんしてよ」 「は? 子どもかよ! やだよ!」 ニッと笑顔を見せる修斗はやっぱりちょっと元気がない。 「なんか酔ったかな。俺寂しくてしょうがない……康介と喧嘩したまま会ってないからかな」 「………… 」 あーもう、面倒くせえな。 「もうお前、寝ろよ。ぽんぽんしてやるから。そんでもって康介帰ってきたら仲直りしろ。好きなんだろ? 素直にごめんな、言い過ぎた、って言えよ」 「うん」 俺は修斗の隣に横になり、子をあやすように修斗の背中をぽんぽんする。少しすると小さく寝息が聞こえてきたので、俺も目を瞑り眠りについた。

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