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意地悪なのは…⑧/満足
「修斗さん、凄えエッチ」
俺の指をチュッチュと音を立てて吸う修斗さん。まさかここまで修斗さんがやってくれるとは思わなかった。夢中で俺の指を舐めながら、自分でちんこ扱いてる。他人のオナニーなんて見るの初めてだし、ましてや修斗さんだよ? あの修斗さんが俺の言いなりになって公開オナニーしてるなんてヤバいだろ。こんなの興奮しないのがおかしい。
俺の前に平伏して、エロい顔して俺の指に貪りついてる。時折俺のことを見上げてくる。修斗さんにフェラされてるような感覚になって、超ヤバい。今にもイきそうな顔してる修斗さんが、腰をもじもじとくねらせながら小さく俺の名前を呼んでる。
可愛すぎ……
修斗さんの肩を掴み、体を起こしてやる。半開きの修斗さんの唇にキスをすると、潤んだ瞳から涙が零れ落ちた。
「イっていいよ……修斗さんのイくところ、よく見せて……」
プライドを捨て、まるで懇願するような顔の修斗さんに、俺は涙を指先で拭ってやりながらできるだけ優しくそう言った。
「康介っ……あっ……あ、イく……イっちゃう……康介……ああっ」
扱く手が激しく上下する。
きっとお尻も弄って欲しいんだろうな。もう前だけじゃ物足んねえんだろうな。
そうだ。修斗さんをそんな風にしたのは俺なんだ…って思ったら、猛烈に興奮した。ジワジワと独占欲が満たされていく。
もう俺のことなんか気にしてない様子で修斗さんは絶頂に向かってる。俺はそんな修斗さんから目が離せなかった。
あっ……と小さく声を漏らし、修斗さんは俺の目の前で精を吐きだす。爪先まで力が入って、ぴんってしてるのが可愛い。
ハアハアと息をして俯いてる修斗さんに近づく。俺の内腿まで修斗さんの精液が飛んでるのに気が付いて、それを指で拭って修斗さんに見せた。
「いっぱい出たね。ほら見て、こんなとこまで飛んでき………っ痛!」
不意打ち。
涙目の修斗さんに思っきし鳩尾を殴られた。
「満足かよ! 康介の前で……イッて……やったぞ。これで……もう……許して……」
あ……
「ごめんね! やり過ぎた俺。ごめん! 修斗さん……」
嬉しくなって調子に乗ってた俺は突然殴られて我にかえる。修斗さん泣いちゃってるし、俺興奮し過ぎて変になってた。慌てて修斗さんを抱きしめる。修斗さんは怒ってるのか少し暴れて俺の腕から逃げようとするのを力尽くでなんとか抑えつけ、宥めるように頭を撫でた。
「もう絶対こんな恥ずかしい事しねえから! 康介だから……やったんだからな!」
「うん……修斗さん、ごめんなさい。俺が悪かった。ごめんね。お願い……もう抱いてもいい?」
仲直り。
もうなんで怒ってたとかどうでもいい。俺、また調子に乗ってやらかした。全面的に俺が悪い……そう、それでいい。
「……いちいち聞くなよ。一人でイけたら抱いてくれるって言っただろ?……早く抱いてよ。俺まだ満足してねえよ? 康介の……ちょうだい」
俺の腕の中で、やっと修斗さん笑ってくれた。俺も嬉しくなって笑いながらキスをする。
それから俺は、グズグズな修斗さんをこれでもかってくらい優しく抱いた。
「康介……ほんとスケべだよね」
事を終え二人で風呂に入りながらいつもの調子でイチャイチャお喋り。
「スケべだし性格悪い。そういうのすげえヤダ」
修斗さんは俺に寄りかかりながら回した俺の手を弄ってる。ヤダとか言って、でも声はもう怒ってないから安心する。
「でもごめんな。俺……康介にいっぱい好きって言ってもらいたくてわざとイヤな態度しちゃったりするから。ヤキモチ妬かせたいとか……そういうのがダメなんだよな?」
「………… 」
いつになく可愛い事を言ってくれる。
……言うなら今かな?
俺は修斗さんを後ろからギュッと抱きしめる。
ちょっと前から考えてた事。でも中々言い出せずにいた事。言い出せなかったのは自信がなかったから。今も自信がないのは変わりないんだけど、それでもやっぱりこの人を手放すことなんて出来ないから。
俺の我儘で最愛の人を縛り付けることになってしまう。
自分勝手でごめんね。
許してね、修斗さん。
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