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第4話
「うん…待たせた?」
「ううん、そんなに待ってないけど、最近撮影長引いてるよなユウ」
「……うん」
静かに頷く…
「やっぱ、難しいんだ、攻めって。でも、オレは早く攻めの仕事もらえるようになりたいな」
隣を歩きつつヨシは言う。
「……」
ユウはいつものように話を聞いている。
「あ、今月のランキング出てるよ、ユウ、見て行こうよ!」
掲示板の前を通り掛かった時、ヨシはユウを呼び止める。
ランキングとは、性優たちを競わせ磨かせる目的で毎月、売上ランキングを掲示しているものだ。
「やっぱ、上位は先輩たちが独占してるな…」
ヨシは興味深々に見ているが、ユウはそれほど気にならない為、何気なく掲示してあるランキングを見る。
ランク表は、ジュニア部門(小中学生)、アダルト部門(高校生~二十歳)、総合(全員)、と3つに別けて表示している。
ヨシは総合の方を見て言葉を出しているが…
圧倒的に高校以上の先輩の方がヨシたちより撮影回数が多いので、売上にも差がでてくるのだ。
ユウは、ジュニアの方の表でヨシと自分の名前を探してみる。
10人ほどいる小中学年の性優の中で、3、4位と意外に上位で名前をみつけることができた。
「オレたち同じくらいだな」
なかよく順位も並んでいる2人、ユウはふと自分たちより上位にいる名前に目をやる。
「…サクヤ」
次の自分の撮影相手だ…。
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