15 / 74
第15話《狂気の父》
「…ん」
日の光りで目を覚ますみずき。
「おはよう…良く寝れた?」
いつもの優しい口調が耳元でして…
「ッ!コウヤさん、ごめんなさい。こんな時間まで…」
慌てて謝るみずき…コウヤから離れる。
「いいよ、謝らないで…俺はいつも朝まで帰らないから」
そう囁くコウヤ…
「えっ?」
そう言えば、コウヤはなんで家に帰りたくないんだろう…
夜はいつも公園にいる。
首を傾げるみずきに…
「どうかした?」
みずきの頭を撫でながら聞いてくる…
「…ううん」
首を横に振るみずき…
やっぱり聞けない…
きっと色々事情があるんだ、そう納得して立ち上がる。
「オレ…帰らないと、学校あるし…」
本当は戻りたくない場所…
でも、いつまでもコウヤさんに甘えてばかりいられない。
「うん…気をつけてね」
コウヤは優しく見送ってくれる。
「またね…」
みずきは手を振り自宅の方を目指して帰っていく。
「また…か、」
コウヤはふっと表情をなくす…。
自分の欲が…暴走しないように、繕うことは苦しい…
でも、同じ過ちは二度としない…
一度でも…気を許せば、止められなくなるから…
自分は…そういう、恐ろしい人間だから…
ともだちにシェアしよう!