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第17話
「言え!どこだッ」
カッとなったまま、足蹴りを加え、みずきを怒鳴り、問い詰めるナオキ…
「…ッ、と…さんが、姉さんに、ひどいこと…するから、姉さんは、安全な所に行ったんだ…もう帰ってこない」
首を抑えつけられ…詰まったまま言い返す。
「なんだとッ!ふざけるなッ!」
「ぶざけてない!父さんがこうやって殴ったり蹴ったりするから…母さんも姉さんも…」
「黙れッ!」
みずきの言葉を途中にナオキは手を振り上げ頬を打つ…
「…ッ!」
顔に衝撃を受け、言葉を詰まらせるみずき…
何か言おうと思ったが…
さらに暴行を加えてくる父に言葉を塞がれる。
八つ当たりのようにみずきを数分間蹴り、舌打ちをして再び出て行ってしまうナオキ…
「ッ…」
静かになった部屋…
身体を動かすとズキッと痛みが走る。
みずきは同年代の子と比べると160センチと大きい方だが、さらに大きい父親に殴られるとやはり痛い…涙が出そうになるのを必死で堪える。
なんでこんな目にあわないといけないのか…
理不尽な気持ちでいっぱいになる…
けど、母さんや姉さんを守る為なら…
何だって我慢できる。
いつか自立して…父親から離れられるその時まで…
みずきはそのまま瞳を閉じて廊下で休む…
数時間が経ち…
みずきは身体の痛みを忘れたくて、深い眠りに入り…熟睡していた。
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