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第22話

「……」 そして、そっとみずきを腕の中に抱き寄せる。 「…こうや、さん?」 柔らかく抱きしめられて…どうしていいのか、戸惑い驚いてしまう… コウヤは困惑するみずきに…こう囁く… 「…涙がでるときは、泣いたらいいと思うよ…」 (我慢するより…泣き尽くした方が気が晴れるものだから…) 「ッ…」 その…優しい声に、みずきはコウヤの胸にしがみついて顔を押し付け、唇を噛んだまま泣いた… あたりようのない気持ちを…涙に変えて… 決して声を漏らさず何かに耐えているような泣き方のみずきを見て、コウヤは… みずきの身に起こったことを…薄々感じとっていた。 こんなに泣く姿は…はじめてみるから… どんなに、父親から暴力を受けていても、コウヤの前で泣いたり…やつ当たったりしない、そういうコだから… こんな風に泣く理由は…よほど辛い目にあったのだろうと… 昨日の今日で、なんとなく察しはつく… 泣いたことで… だんだん、落ち着いてくるみずき… 自分から離れようと身体を動かすと… 「大丈夫?」 コウヤはそっと声をかける。 「うん、ごめんなさい…」 みずきは謝ってコウヤから離れる。 「座れるかな?」 含んだ言い方でベンチを指すコウヤ… 「……うん」 頷いてはみたものの…戸惑うみずき… 歩いただけでも、おしりが痛いのに…座ったら… その様子を見て、確信したようにコウヤはみずきの手を引いて… 外界から死角になる場所まで引き込み抱き寄せる。

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