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第25話

そして、コウヤの膝に頭をのせ、膝枕をさせてもらう。 慣れないことなので、なんだか緊張してしまうみずき。 「ふっ…そんなにかたくならなくていいよ、少し休んだ方がいいから…」 優しく促すコウヤだが… それを聞いて、いくつか疑問が浮かんでくる。 コウヤさんは、いつ寝てるんだろう…。 夜はいつもココに来て煙草を吸っているのは知っていたけど…遅くなったら家に帰っているのだと思っていた。 だけど…昨日も今日も、深夜過ぎてるのに…ずっとココにいるから…。 もしかして…寝てないんじゃないかと心配になる。 「ん?何か聞きたそうだね?…何かな?」 みずきのそんな視線に気付いて、尋ねてくる。 「…コウヤさん…夜、寝てない?」 ぽそっと聞く… 「…どうして、そう思う?」 逆に聞き返されてしまうみずき。 「だって…夜いつも、ここにいるし…あ、でも今日は8時過ぎても来なかったけど…」 少しだけ首を傾げていう。 「待ってくれてたの?」 「…うん」 「ごめんね…バイトだったから…」 「バイト…?」 「うん…お仕事、今からそこへ連れていってあげるから…その時に詳しく教えてあげる」 コウヤは微笑んだままみずきの髪を柔らかくなでる。 「……連れていく?」 なんで?と含んでまた聞くみずき。 「そう…手当しにね、あと…君も、仲間になれると思うし…」 瞳を見つめ、やはり優しく微笑む。 「仲間?」 「そう…」 君を身近なところに置いておきたい… ただ、それだけで…君をヤバい仕事に誘い込む… BOUSという名の少年売春組織に… この時をきっかけに…みずきは、BOUSのメンバーになった。 コウヤが居る所だから、コウヤも同じ仕事をしているというから…安心して、撮影にも入り込めたのだ。

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