27 / 74

第27話

「……」 こくんと頷くみずき。 「おいしいって言うより、安定剤みたいなものだな、俺のは…」 微笑んだまま答えてくれるコウヤ。 「安定剤?」 「そう、なんていうか…吸ってないと落ち着かないんだよ…あ、これは依存症かな」 くすくすと笑いタバコの灰を落としながら言うコウヤ。 続けて… 「でも、吸う理由というか理屈は一応あるんだよ…」 「理由…」 「…こうして、吸って…息をするみたいに白い煙を、はくと…」 実際してみせながら教える。 「身体のナカにある汚れたモノが一緒に吐き出されるように思えてね…ほら、吸うときは見えないでしょ」 「……」 「まぁ、お医者さんにいったら、それは逆だって怒られそうだけどネ…」 そう苦笑いのコウヤ。 「……」 和やかなコウヤを見て、みずきも微笑む。 「そうだ…ユウも吸ってみなよ、はい」 コウヤはケースから煙草を1本取り出してみずきに渡す。 「えっ、でも…」 困惑していると… 「俺はユウの年には吸ってたよ…でも、無理にはいわないけど…」 微妙な表情ですすめられると、なんだか断り切れないみずき。 表情を伺いながらコウヤに聞く。 「コウヤさんは、誰に煙草を…?」 教わったのか、聞いてみる。 「俺は、義父さんからだね…悪いことはほとんどあの人から教わったから…」 微笑んだまま話し、持っていたライターでみずきのタバコに火をつけてくれる。 「…父さん」 ぽつりと呟き返してしまう。 「義理の、だけどね…ウチの義父さんは、ユウのトコみたいに暴力は振るわないから、ほら、吸ってごらん…」 話しながらみずきを促す。

ともだちにシェアしよう!