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第36話
コウヤの話の内容は、過激で…普段のコウヤからは想像もつかない事だったが…
コウヤの話し方、雰囲気は…嘘を言っているようには見えない…
信じられないけど…本当のコト…。
「…それでも、オレの知ってるコウヤさんは…優しい人だ」
みずきは、いつもの笑顔を無くしたコウヤに、そう伝える。
「……君は…、」
その言葉に…心がジンと痛むコウヤ。
それでも…嘘偽りの姿の俺を、信じるのか…
鈴鹿みずきから…貰えた言葉は、優しいものなのに…
それでは納得していない自分…
(俺は君から…温かい言葉を貰えるような奴じゃないんだ…)
「…何故ッ!分からないんだッ!」
そんなみずきに、苛立ち…
いきなり片腕を掴み、怒鳴りつけて…
みずきをソファに押し倒し押さえ付けるコウヤ。
「っ!?」
こんなに感情を表にだすコウヤの姿など初めて見るので…驚きで言葉もでないみずき。
「…俺はッお前に…」
押し倒し抑えつけたみずきの驚愕した表情をみて…
コウヤは…
くくっと喉で笑い…
「その顔…」
ぼそっと囁き…
みずきの首筋、喉元を…片手で締め付ける。
「こッこうや、さん…っ」
驚き狼狽する心で…コウヤの名前を呼び、服にしがみつくみずき…
コウヤは…締め付けた手を緩め、今度は荒々しくみずきに口づける。
(…何を…しているんだ…俺は…)
反芻するように頭の中に響く思い…
(何がしたいんだ…)
コウヤは混乱する意識を抑えることが出来ず…みずきに襲いかかる。
「……」
みずきは豹変したコウヤに初めは驚いていたが、抑えつけられながら…次第に冷静さを取り戻していく…
(こういう…仕打ちには、何度もあってる…けど、この人は…父さんじゃないから…)
そう心に思い…
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