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第41話
「……」
コウヤの言葉を無言で聞くみずき。
「だから瑞は役者に向いてるね、サクヤは…気が強いというか、自分を変えたくないっていう…そういう性格だから、別の誰かを演じる事が苦手なんだよ…」
「そうか…性格。サクヤの事…、ヨシは気に入らないって言ってた…」
ふとヨシとの会話を思い出して言うみずき。
サクヤは…かなり性格も難しい子なのかな、と考えてしまうみずき…。
「ヨシが?だろうね、あの子とは合いそうにないね性格。サクヤは慣れ合いとか嫌いだから…」
「詳しいね、コウヤさんは…」
「まぁね、サクヤも入会の時、担当したから、一通りのことは覚えてるんだ…」
どんな環境で育っているか…性格などで、一人一人微妙に対応が変わってくるから…
「……」
「色々教えてあげるよ…?」
「それは…」
次の相手…サクヤのこと、知りたいという気持ちもあるけれど、他人のプライベートのことまで、勝手に聞いてしまうのは良くない…
そう思って首を横に振るみずき。
「瑞は、やっぱり真面目だね。じゃ、サクヤについてアドバイスしてあげる…」
「アドバイス?」
軽く首を傾げるみずき…
「あの子はね、見た目よりもかなり大人、入会撮影の後サクヤと話した時、そう感じた…」
今度は思い出すように話すコウヤ。
「普通の子は、初撮影の後、話せなくなったり…泣き続けてたり、会話が成り立たなくて苦労するんだけど…サクヤは凄く気丈でね、冷静に聞けてたし、理解力も早かった…」
「……」
軽く頷きながら聞く。
「…そういうタイプのコに一番しちゃいけない扱いは、こども扱いだね。見掛けだけで判断せずに、絶対見下した言い方をしてはいけない、対当に接してあげるときっとうまくいくよ」
コウヤは優しく教えてくれる。
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