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第42話
みずきの表情をみて、クスっと笑って続けて言う。
「まぁ、瑞はそんな態度とらないから大丈夫だと思うけどね…」
「……」
言葉に首を傾げるみずき…
「あと、必要以上に彼の心に踏み込まないことだね、だいたい放任の子は自分の意志が強くて他人は寄せ付けないから…」
今までの経験から結論づけて、コウヤはみずきに教える。
「…ほうにんの子?」
みずきは知らない言葉だったので、つい聞いてしまう。
「放任の子っていうのはね、親からほっておかれている子の事、親から相手にされていないとも言うかな…サクヤもその部類に入る子だから」
きちんと質問に答えてくれるコウヤ。
「…相手にされていない?」
みずきも首を傾げ、ぽつりと呟く…
それはどういう事なんだろう。
「そう、分かりやすく言うと無視かな…」
「…無視」
一番身近な母さんや姉さんに無視されたら…それは凄く辛いことで、みずきは思いうつむく…
コウヤはみずきの反応を見て、よしよしと頭を撫でて続ける。
「きっと、泣くことができないのも、それと関係あるのかな…」
「どうして…?」
また首を傾げるみずき。
「子どもってどうして泣くと思う?」
「えっ?」
急に聞かれて詰まる。
「…嫌なことがあるから?」
少し考えてコウヤに聞くみずき…
「そう…嫌な事があるから泣いて、でも一番は、そのことを誰かに気付いてもらいたいから泣くんだと思うんだ…」
子どもは言葉で説明しきれないことを、涙という方法でつたえようとする…それに大人達が手をさしのべてあげる。
「あ…」
そう言われると、そうかもと頷くみずき。
「…でも、泣こうが叫ぼうが…誰にも振り向いてもらえなかったら、その泣くっていう行為の意味自体なくなって不必要になってしまうでしょ…」
ゆっくり教えるように話すコウヤ。
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