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第57話

息をついて、その状態でサクヤの綺麗な瞳を見る… そこをキュッと締めつけられ… 胎内の、何ともいえない快感が身体をかけるが… 流されないよう撮影を意識するユウ。 レイプ撮影とは違い…相手を見る余裕が今回はあったサクヤ。 潤んだ瞳で見つめ返す… 逆に…余裕がないユウ、次のセリフからラストまでの流れを必死に思い描く… 「大好きだ、サクヤ…」 耳元で囁き… 唇を重ね、熱い身体を抱きしめる。 静かに自分の身体に動きをつける… 「ァ…んっ、はぁ…」 自然に漏れる声… 繋がっている部分から… 自分自身が生きている熱を感じ取らせてくれる。 そして…なにより人の温かさに触れることを、こんなカタチであれ…心のどこかで嬉しく感じてしまうサクヤ。 (…オレを見て、触れて…、もっと…抱きしめて欲しい) 足りないもの… 満たされない思いを紛らわせるように… 掠れた喘ぎ声を漏らしながら… 相手の身体にすがりつく… (…ここが、オレのことを必要としてくれるなら、それがオレの存在理由になるから…) 「…っサクヤ、まだ…もう少し…っ、」 その熱く求めるようなサクヤの瞳に捕われたままのユウ… 荒くなる息遣いの合間にセリフを伝え、さらにサクヤの腰を引き上げ深く…内側を摩擦していく。 「ん…ッ、も、やだッイタ…ぃ、兄、ちゃ…ァ、」 サクヤは用意されたセリフを口走りながら…身体を反らせる。 これからは挿入ありの撮影ばかりになるはずだから… この感覚を身体に染み付けなくてはいけない。 脊椎まではしるような痛み… それさえも撮影を繰り返すうちに次第に慣れてくる筈だから… 熱い呼吸を繰り返しながら… お互いに、芝居を忘れないよう進めていく… 静まり返るスタジオには、2人の熱い声が響く…。 最初から余裕はなかったユウだが、なんとかノルマクリアして、いよいよ撮影の終りが近づく… 「ん、っサクヤ…ぅッー」 短く言葉にして、ユウはサクヤのナカヘ… 張り詰めていた思いをすべて出し尽くす。 「ァ…んっ」 サクヤは初めて自分のナカに吐精された感覚に身震いしてしまう…。

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