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第63話
「…ランク表とか、興味ないから知らなかった」
また、1人呟くように言うアキラ。
「ちなみにジュニア1位は君だよ、サクヤ」
微笑みながら教えるコウヤ。
「…オレがですか?」
「君は、なんていうか…媚びなくても皆の気を惹きつける雰囲気をその年で持ち合わせてるからすごいよ。ユウも…そう思ったよね?」
大人しく2人の会話を聞いていたみずきに話を振る。
「えっ…」
急にふられて慌てながらも…
みずきが問いを理解して頷こうとした時…
「この人は興味ないみたいだったから…聞いても分からないと思う」
そうサクヤは呟く…
「え…」
みずきは、サクヤの言葉に少し驚く…
最初、あんなにじろじろ見てしまったから、変な風に思われているかもしれないと思っていたから…
「どうして、そう思うの?」
みずきの代わりにコウヤがその理由を聞く…
「…だって、他の先輩は台本チェックの時とか、2人っきりになったら、話し掛けてきたり…触ってきたりするのに、この人は全然なかったから…」
サクヤはみずきを見つめてコウヤに教える。
他の性優と比べて、みずきの態度がよそよそしいことが逆にサクヤには不思議に映ったのだ…
「そっか…ユウはそういうことには慣れてないからね。しかも、なんでも内に秘めちゃうタイプだから…」
くすくす笑いながらコウヤはサクヤに伝える。
「でもキミに興味がないってわけじゃないんだよねユウ!」
ウインクをしながらみずきの心を見透かしたような発言をする。
サクヤに思い切り心を奪われていたみずきだから…
「えっコウヤさん…」
そんなことを本人目の前にして言われて…
反応の仕方も分からず困ってしまうみずき。
コウヤの説明に軽く首を傾げるサクヤ…
「そろそろ行く?引きとめてごめんね2人とも…」
スラッと背の高いコウヤ、自分の目にかかる茶色の前髪をかきあげながら微笑んでいう。
「…はい、お疲れ様です」
サクヤは軽く会釈して…スタスタ、歩いていく。
その可愛い、後ろ姿を、その場で見つめるみずき…
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