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第68話

みずきのその顔を至近距離で見てしまうと…決心が揺らぎそうになってしまう… (愛してる…弟とは違う、君を…) 優しく抱き寄せ…コウヤは、みずきに唇を寄せる… 伝えられない想いを隠して… 突然のキスに、みずきは驚くが…拒んだりはしない。 優しい時が流れる… コウヤはそっと唇へのキスをやめ… そのままさらに抱き寄せみずきの首筋へ…柔らかくキスを落とす。 「コウ…ヤ、さん?」 その動きにみずきはコウヤの肩口の服を浅く握り…ぽつりと言葉を出す。 「…もう、最後だから…ひとつ、わがままを聞いてくれる?」 耳元で囁くコウヤ… 自分が何を言おうとしているのか、駄目だと分かっていても… 「……?」 「…君を…抱いても…いい?」 伝えてしまうコウヤ…。 「……えっ」 コウヤの言葉に驚き…答え詰まるみずき。 片手に持っていたタバコが床へ転がり落ちる… コウヤの求める言葉の意味を理解するのに時間がかかってしまうみずき… (最後だから…) (抱いてもいい?) 今までプライベートで会っても、コウヤさんはオレを抱こうとはしなかった… それは、オレが、亡くなったコウヤさんの弟にそっくりだから… それか、別に好きな人がいるからなんだろう、と勝手に解釈していたけれど… ……最後だからって? みずきは短い時間で考えて… …そうか、コウヤさんはココでの最後の思い出に誰かと…、って思って、それでコウヤさんは他の後輩じゃなく、オレを選んでくれたんだな…。 そうみずきなりに納得する。 決して自分が好かれているからとは気付かない鈍すぎるみずき…。

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