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第71話

これからは違う道を歩くけど… 遠くからみずきが幸せになれるように祈ってる。 「さ…そろそろ帰らなきゃね…」 クシャっとみずきの頭を撫でて、振り切るように立ち上がるコウヤ… 「……」 頷いてみずきもコウヤの後をついていく… BOUSの廊下を歩きながら… 「ここも…10年近く通ったんだな。長かった…」 呟くように言うコウヤ… 「お疲れさま…」 そう言葉を返すみずき。 「駅までいっしょに帰ろう」 そんなみずきを振り返り優しく微笑むコウヤ… 「でも、コウヤさん…バイクで来てるんじゃ…」 いつもバイク通勤のコウヤだから… 「今日は電車できたんだ…バイクは預けちゃったから…」 立ち止まり柔らかく微笑んで何かを渡してくるコウヤ。 「…これは?」 渡されたものを見て… 「バイクのキー、俺のバイク、君にあげるから…」 「エッ!」 「歳がきたら、自分の為にお金を貯めて免許をとって…預けている場所はキーにつけてるから…」 微笑みながらそう促す。 「でも…、コウヤさん大切にしていたバイクだから貰えない」 カギを返しながら言うみずき… 「大切なものだから、君に使ってほしいんだよ…向こうに持っていかないから君にあげる、貰ってくれるね…」 カギごとみずきの手を握りしめながら微笑むコウヤ… 「ウン…ありがとうございます」 有無をいわせない感じのコウヤに少し微笑んで有り難く貰い受けるみずき。 不意に、すぐそばで、聞き覚えある声がする。 「ありがとうございました…」 医務室から挨拶して出て来た今日の撮影相手のサクヤ。

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