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第72話
振り返って近くにいた2人を見て少し驚いている。
「…よく、会いますね今日…。ふたり、付き合ってるんスか?」
じーっと2人を見たあと、みずきに向かって呟くサクヤ…
「えっいや…」
「そう見える?」
答えに詰まるみずきの代わりに答えるコウヤ…
「はい…」
頷くサクヤ…
「ありがとう。でも違うんだ…」
優しく微笑むコウヤ。
「…君の成長は、もう少し見ていたかったな…」
コウヤは続けてアキラに歩み寄りながら呟く…
「え?」
「きっと、大人になったら…相当美人になるだろうね」
そうサクヤを褒めて、髪を撫でてやるコウヤ…
「……?」
いきなり何をいっているんだろう、と不思議そうな顔をするサクヤ。
「あ、気にしないで…、君みたいな綺麗な子は、ここでは苦労するだろうけど…頑張ってね」
「はぁ…」
こくんと頷くサクヤ。
「じゃ…行こうか、ユウ」
「あ、はい。…あの大丈夫だったか?」
みずきは、サクヤに怪我をさせてしまったことがまだ心に引っ掛かっているようで、医務室から出てきたサクヤについ聞いてしまう。
「…平気」
サクヤは、しつこいという感じで、ぼそっと答える。
「…ごめん」
「ホント変な人…」
低姿勢な相手を見て首を傾げて言ってしまうサクヤ。
「ふ、ははっ、ユウの方が先輩なんだから、しっかりしっかり」
2人のやりとりになぜかウケて笑いながら、みずきの背を押すコウヤ。
「…はい」
コウヤの言葉にしっかりしなくては、と思うけれど、やはりサクヤには強く言えないみずきなのだった。
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