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事故・睦月side
……あれ?
僕、転んだよね?確か今…。視界がぐるんってなって…
なのに、痛くない…?
おそるおそる目を開けると、目の前いっぱいにレオくんの顔があった。「わっ!」と僕は驚く。
レオくんは僕と目が合うとバツが悪そうにフイと視線をそらした。僕は戸惑いながら周りを見回し、ようやく状況を把握する。サアッと血の気が引いた。
なんと、横たわる僕の後頭部はレオくんの右腕が、僕の腰にはレオくんの左腕が回されていた。
つまり、僕はレオくんの両腕を押し潰していた!
青ざめて口を開きかける。しかし、その瞬間。
「アラヤダ!」
甲高い声が階段の方から聞こえた。
僕とレオくんがそのままの体勢でそちらを見ると、大家のおばさんが口に手を当ててビックリしたように立っていた。大家さんは「ヤダ、これが今流行りの…?ヤダぁ、生で見ちゃったわぁ」と何故か顔を赤くする。
?
大家さんは僕たちの視線に気付くと大仰に手を振った。
「ごめんなさいねぇ邪魔して。言い争う声がしたから来てみたんだけど…でもあなた達も、そういうコトは家の中でしなさいねぇ」
そう言うと大家さんは「じゃ、ごゆっくり~ホホホ」と笑って去っていく。
??
「ど、どうしたのかな大家さん…」と僕が言うと、膝立ちだったレオくんは急に体を起こした。階段の方に走って向かうと「ちげぇからなババア!妙な勘違いすんな!これは事故だ事故!!」と早口で叫ぶ。
???
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