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そば粉を求めて・睦月side
「えっ!?そば粉が無い!?」
コンビニで店員のお姉さんに「はい…すみません」と謝られる。優しいお姉さんは念のためと倉庫も見てくれた。
僕は慌てて「あっいえ!ご親切にありがとうございました!」と頭を下げ、店を後にする。
「えっとあとは…スーパーがあったっけ…」
アパートを見に行く時に不動産屋さんの車で確か大型スーパーの前を通った。
うーん、でも道が分からない…。
「はい…元気出します。いつもあざっすレオさん!じゃ、また」
え?
その時、横を通っていった男の子がスマホ片手にそう言った。僕は反応して振り返る。
あの子…レオくんの名前言った?知り合い、なのかな…
なんて、同じ名前の違う人かもしれないよね。
あ、そうだ!近くに他に誰もいないし、あの子にスーパーまでの道を訊いてみよう!ナイスアイデア!
「あの、すいません!」とさっそく声を掛けると「ハ?」とその子は振り返ってくれた。茶髪だけど、あどけなさの残る顔…中学生かな。
でも、彼は僕を見るなり「うぇっ」と言った。「え?」と僕はキョトンとする。というか初対面で『うぇっ』なんて言われるの凄いショック。
気を取り直して「突然すいません、スーパーはどっち…」と言いかけると茶髪くんは「駄目っす!」と両手を突きだしてストップを掛けてきた。
えっ何事!?
「今俺、美人とは関わらないって誓ったんす!」
突然の宣誓に「そ、そう…」としか言えない僕。「だ、大丈夫だよ僕は美人じゃないし、ただちょっとスーパーまでの道を…」と宥めながら説明すると「うわ何の罠すか美人局すか!?」と警戒される。そして「その手には乗らないっすよ!」と脱兎の如く逃げられた。
残された僕は呆然とする。
何だったんだろ今の…。都会には色んな子がいるなぁ…。
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