店内でケンカするわけにもいかねえから外に出る。暴れる理由が出来て実に好都合だ。 人気のない路地裏まで来ると早速右の奴がストレートをかましてきた。 せっかちな野郎だ。あっさり避けるとそのまま右膝を鳩尾に食い込ませる。「げぇっ」と醜い声を上げて崩れ落ちた。 目を向けると周りの奴等が怯む。…はえーよ、面白くねえ。 鼻白むとそれを察したのか一人の奴が「ハッ久遠よぉ、前から言いたかったんだがよ」と挑発する。…何だ？ 「お前のその髪ダセェんだよ！今どき金髪って、バッカじゃねーの！！？」 ………何だその言い方。小学生か。 ああ、こいつら小学生並の知能しかねえからな。小学生にも失礼か。失笑してさっさと片付ける事にした俺。 その時。 「ちょっと待ったーーー！！！」 ズッダアアアアン！！！！！ 叫び声と共に飛び込んで来て派手に転んだスーツの奴がいた。周囲が呆気に取られる中「いたた…」と顔を上げるソイツの面を見て驚く。 …ミナセ！！