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【異端ノ魔導師と血ノ奴隷】 第六章◆精霊王ノ瞳~Ⅵ | 嵩都 靖一朗の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
【異端ノ魔導師と血ノ奴隷】
第六章◆精霊王ノ瞳~Ⅵ
作者:
嵩都 靖一朗
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第六章◆精霊王ノ瞳~Ⅵ
遠巻
(
とおま
)
きに聞こえるのは、
警報
(
けいほう
)
と
叫
(
さけ
)
び声、そして
悲鳴
(
ひめい
)
。 聞き分けているのは、
砲声
(
ほうせい
)
と
射撃音
(
しゃげきおん
)
だ。 〈 ボン! ドドド!! ドーン!! ドーン!! バババババ!! 〉
奇襲兵
(
きしゅうへい
)
の
得意
(
とくい
)
とする
戦法
(
せんぽう
)
は、
牽制
(
けんせい
)
を
誘
(
さそ
)
う
中距離
(
ちゅうきょり
)
での
集中砲火
(
しゅうちゅうほうか
)
。
前腕当銃
(
ガンヴァンブレイス
)
を
酷使
(
こくし
)
する。
飛躍連射
(
ショットアップ&ショットアップ
)
。
防御
(
ぼうぎょ
)
の必要すらない
瞬速
(
しゅんそく
)
の
回避移動
(
かいひいどう
)
は
正
(
まさ
)
に、
手練技
(
てだれわざ
)
。
連射熱
(
れんしゃねつ
)
で
銃身内部
(
じゅうしんないぶ
)
が
変形
(
へんけい
)
し、使い物にならなくなる
程
(
ほど
)
だと聞く。
腿甲
(
クリーブ
)
の
中核
(
ちゅうかく
)
に組み込まれている
法石
(
マギアナイト
)
には、
飛翔
(
ひしょう
)
ノ法が
込
(
こ
)
められているらしい。
体動
(
たいどう
)
を
感知
(
かんち
)
する
装置
(
そうち
)
が
要
(
かなめ
)
とノシュウェルは
語
(
かた
)
る。 魔導師でもない
限
(
かぎ
)
り、法の
効果調整
(
こうかちょうせい
)
など
不可能
(
ふかのう
)
だからだ。
符
(
ふ
)
の効果は一回
限
(
かぎ
)
り。 石であれば、
一定
(
いってい
)
時間は
持続
(
じぞく
)
するよう。
更
(
さら
)
に
高位
(
ハイクラス
)
となると、
魔青鋼
(
オリハルコン
)
が
挙
(
あ
)
げられる。
媒体
(
ばいたい
)
として
流用性
(
りゅうようせい
)
が高く、
形状
(
けいじょう
)
の
変転
(
へんてん
)
が可能であり。 武器
等
(
など
)
、
複数
(
ふくすう
)
持つ必要が無いため。
機動補助
(
きどうほじょ
)
を
行
(
おこな
)
う
系統設備
(
システムファシリティー
)
、もしくは、
同程度
(
どうていど
)
の
遠隔支援
(
バックアップオペレーション
)
を実行する
特殊技能兵
(
とくしゅぎのうへい
)
の存在が
不可欠
(
ふかけつ
)
とは言え。
圧倒的火力差
(
あっとうてきかりょくさ
)
、
不利
(
ふり
)
な
戦況
(
せんきょう
)
を手数で押し返し、
応変
(
おうへん
)
に
打開
(
だかい
)
する
奇襲兵
(
きゅうへい
)
には
必須的装備
(
ひっすてきそうび
)
。
吊
(
つ
)
り
展望
(
てんぼう
)
を
含
(
ふく
)
め。
建築物
(
けんちくぶつ
)
に
絡
(
から
)
んだ
巨大
(
きょだい
)
な
蔦
(
つた
)
植物と、
都
(
みやこ
)
の
構造
(
こうぞう
)
も、こちらには
有利
(
ゆうり
)
。 ところが相手は
極寒
(
ごっかん
)
を
生
(
しょう
)
じる火によって、
気圧
(
きあつ
)
を
操
(
あやつ
)
り、
竜巻
(
たつまき
)
に乗る。 その
様
(
さま
)
は、
竜
(
りゅう
)
を
従
(
したが
)
えるようでもあった。
撃
(
う
)
ち
落
(
お
)
とすつもりで
攻
(
せ
)
めても、当たらないのだ。
逆
(
ぎゃく
)
に
繰
(
く
)
り出される
雹撃
(
はくげき
)
が、
瞬速ノ精鋭
(
しゅんそくのせいえい
)
を
追
(
お
)
い立て。
頬
(
ほほ
)
に、
腕
(
うで
)
に、
際
(
きわ
)
どい
傷
(
きず
)
を
残
(
のこ
)
す。 「クソ! ガチで人間じゃないね、アイツ!!」 「お前もなかなか、いい
線
(
せん
)
いってると思うぞ?
世話
(
せわ
)
してやるのが大変だ」
連射
(
れんしゃ
)
に
継
(
つ
)
ぐ連射。
転送
(
てんそう
)
による
充填補助
(
じゅうてんほじょ
)
に
忙
(
いそ
)
しい
技能兵
(
ぎのうへい
)
が、 気を
利
(
き
)
かせ
召喚
(
しょうかん
)
したのは
防壁
(
ランパート
)
。 嫌がらせかと思ったのは
当
(
とう
)
の
奇襲兵
(
きしゅうへい
)
である。 「うわっ。ウソ!? バカじゃないの!? こんなデカいの
邪魔
(
じゃま
)
だから!
迎撃保護
(
イージス
)
に
替
(
か
)
えて!」 「
了解
(
りょうかい
)
。
我儘
(
ワガママ
)
だな」 それなら、もう顔に
傷
(
きず
)
を付けないように
避
(
よ
)
けきれよ。 だったら、もっと早く
充填
(
じゅうてん
)
しろ。 はてさて、この二人。 いつから
毒突
(
どくづ
)
き合うほど
仲良
(
なかよ
)
くなったのだろうか。
戦況
(
せんきょう
)
は
極
(
きわ
)
めて
不利
(
ふり
)
なのに。 何だか楽しそうに見える。 いやいや、
冗談
(
じょうだん
)
だけど。 ん ... ... ?
待て々
(
まてまて
)
、
違
(
ちが
)
う。 冗談じゃない。本当は
真面目
(
まじめ
)
にやって
欲
(
ほ
)
しい。 そう思ったのはノシュウェルだった。 元部下の事で
蹴飛
(
けと
)
ばされるのは、もう
真っ平
(
まっぴら
)
、
御免
(
ごめん
)
。 クロイツの
前衛
(
ぜんえい
)
を
任
(
まか
)
されている元隊長という立場上。 色んな意味で
冷々
(
ひやひや
)
とした
気分
(
きぶん
)
。
何故
(
なぜ
)
なら、もう長くは
持
(
も
)
たないせい。 「
充填
(
じゅうてん
)
! 遅い!!」 「はいはい」 「もっと! 早く!!」 「これなら行ける?」 「まだだ! 足りない!!」 「そう
欲張
(
よくば
)
るなって」
間
(
ま
)
に合え ... ...
半
(
なかば
)
ば
祈
(
いの
)
る思いだった。
間
(
ま
)
に合え ... ... !!
彼等
(
かれら
)
が
担
(
にな
)
った
役目
(
やくめ
)
とは。 魔導兵の
銃撃誘導
(
じゅうげきゆうどう
)
である。 しかし、
替
(
か
)
えの
銃身
(
バレル
)
が無いのだ。
連続射撃
(
れんぞくしゃげき
)
は
熱変形
(
ねつへんけい
)
を引き起こす。
銃身
(
じゅうしん
)
を
通過
(
つうか
)
する
弾頭
(
だんとう
)
の
摩擦
(
まさつ
)
と、火薬の
燃焼
(
ねんしょう
)
による
蓄熱
(
ちくねつ
)
が、その
要因
(
よういん
)
。
前腕当銃
(
ガンヴァンブレイス
)
が熱を
持
(
も
)
ち、
腕
(
うで
)
が
焼
(
や
)
けるよう。
実際
(
じっさい
)
には、
激
(
はげ
)
しく顔を
歪
(
ゆが
)
ませ
痙攣
(
けいれん
)
までしているのに。
精鋭
(
せいえい
)
たる
性根
(
しょうね
)
が、
呻
(
うめ
)
き声を
洩
(
も
)
らす事を
許
(
ゆる
)
さない。
剰
(
あまつさ
)
え、
虚勢
(
きょせい
)
を
張
(
は
)
らずにはいられないのだ。 「いいね ... 気持ち良いよ... 」 声が、
震
(
ふる
)
えている。 とても
無事
(
ぶじ
)
とは思えなかった。 分かっている。 だからこそ歯を食いしばり、ついて行く。
背中
(
せなか
)
を
押
(
お
)
す。 「よし ... そのまま、行け ... !」
責務
(
せきむ
)
に
対
(
たい
)
する
誠実
(
せいじつ
)
さ。
誇
(
ほこ
)
り。
決意
(
けつい
)
の無い人間の
後
(
あと
)
に、続く者などいない。 道を切り開き、
示
(
しめ
)
さねば。 しかし何だ ... ... 水を
差
(
さ
)
すようだが。 会話を聞いていると。 ちょっとね。
無自覚
(
むじかく
)
ドSと
調教癖
(
ちょうきょうへき
)
ドSの
構図
(
こうず
)
が、頭に浮かんで見えてくる不思議。 ああ、そうか ... ... その時、ノシュウェルは気が付いた。 どうして
亡命
(
ぼうめい
)
しなかったのか、
謎
(
なぞ
)
だった
方
(
ほう
)
の元部下。 アルウィは、やはり。 元
中堅
(
ちゅうけん
)
の
腕前
(
うでまえ
)
に
惚
(
ほ
)
れ込んで、
残
(
のこ
)
ったわけだなと。 力で
震
(
ふる
)
えを
抑
(
おさ
)
え
込
(
こ
)
み、
照準
(
しょうじゅん
)
を
定
(
さだ
)
める。 彼の
利
(
きき
)
き
腕
(
うで
)
から上がる
煙
(
けむり
)
は
硝煙
(
しょうえん
)
か、 それとも ... 焼ける肉から
奪
(
うば
)
われた水からなる
蒸気
(
じょうき
)
か。
不屈
(
ふくつ
)
ノ
奇襲兵
(
きしゅうへい
)
は、ある時。
唐突
(
とうとつ
)
に
呟
(
つぶや
)
いた。 「僕は、誰にも
選
(
えら
)
ばれなかった ... ... 」 痛みに
堪
(
た
)
え、戦う者の
動的能力
(
どうてきのうりょく
)
を
支
(
ささ
)
えるのは集中力などではなく。
切望
(
せつぼう
)
。 いかなる
理由
(
りゆう
)
から兵士となり、
決断
(
けつだん
)
してきたか。 知られざる
経緯
(
けいい
)
があるに違いないが。 それは
皆
(
みな
)
、同じ。 だからこそ、誰もが聞くのみ。 「
居場所
(
いばしょ
)
なんて無くて。ただ
適当
(
てきとう
)
に生きてただけ」 〈 だったらせめて、生かすべき命を
選
(
えら
)
び、
託
(
たく
)
せ 〉 そう言ったのは、こんな僕に居場所をくれた親友 ... ワート。 ルースの
兄貴
(
あにき
)
。 行ったきり帰って来なかった
腐
(
くさ
)
れ
野郎
(
やろう
)
だ。 ルースは、あいつの生死を
確
(
たし
)
かめるために帝国に
戻
(
もど
)
る。 そんなの、言われなくたって分かるから ... ... 帰るんだ。僕も」
素早
(
すばや
)
く
息
(
いき
)
を
継
(
つ
)
ぎ。
誘導
(
ゆうどう
)
を
継続
(
けいぞく
)
しながら言い
連
(
つら
)
ねる、か
細
(
ぼそ
)
い声。
攻撃
(
こうげき
)
と
回避
(
かいひ
)
を
繰
(
く
)
り
返
(
かえ
)
し、
息
(
いき
)
も
絶え々
(
たえだえ
)
だというのに。
失
(
うしな
)
いかけている
意識
(
いしき
)
を
逆
(
ぎゃく
)
に
追
(
お
)
い込むとは。
最早
(
もはや
)
、
譫言
(
うわごと
)
。
酸欠
(
さんけつ
)
で
墜落
(
ついらく
)
しかねない。 もう
喋
(
しゃべ
)
るな ... ... 言いたいのは
山々
(
やまやま
)
。 だが、
朦朧
(
もうろう
)
としている相手に
届
(
とど
)
くわけがないのだ。 「
託
(
たく
)
すモノなんか、何も持ってないんだけどね。 居場所をくれたヤツのために生きて、死ぬことくらいは ... 出来るから」 ところが、そうと耳にするなり声を
張
(
は
)
り上げる
技能兵
(
ぎのうへい
)
がいた。 「いい
加減
(
かげん
)
に
黙
(
だま
)
れ!!
腐
(
くさ
)
れ
野郎
(
やろう
)
の仲間入りをしたいのか!! お前の居場所は一つじゃない!! 帰って来い! アルウィ!!」
各方面
(
かくほうめん
)
で
尽力
(
じんりょく
)
する者達の胸を
過
(
よぎ
)
ったのは ...
共感
(
きょうかん
)
。 分かるよ。その気持ち ... ...
私利私欲
(
しりしよく
)
、
大義名分
(
たいぎめいぶん
)
。 理由がどうあれ、
奪
(
うば
)
っていく者がいる限り。 奪われぬため
命
(
いのち
)
を
懸
(
か
)
ける。
生
(
い
)
きて
欲
(
ほ
)
しい人がいるから。 そう言うコトだよな ... ... ノシュウェルの心の声は、どこか思わし
気
(
げ
)
。
背
(
せ
)
にしたクロイツの
姿
(
すがた
)
が、
錚々
(
そうそう
)
として
映
(
は
)
えた。 しかし、また
一方
(
いっぽう
)
は。
再度
(
さいど
)
、
特攻
(
とっこう
)
するため
機
(
き
)
を
見計
(
みはか
)
らうのみ。
竜巻
(
たつまき
)
を
鎮
(
しず
)
め、
高台
(
たかだい
)
に
降
(
お
)
り立ったカーツェルの
余裕
(
よゆう
)
を
削
(
そ
)
ぐべくして。
誘導弾発射装置
(
ミサイルランチャー
)
を
構
(
かま
)
えるヴォルトは、ノシュウェルの
援護
(
えんご
)
を
担当
(
たんとう
)
している。
緩衝壁展開
(
アブソーバーてんかい
)
まで、あと少しだ。
然
(
さ
)
れどクロイツは聞き
逃
(
のが
)
さない。 「そうだ。帰るぞ ... ... 俺達も」 ヴォルトが
囁
(
ささや
)
いた言葉を、どう
捉
(
とら
)
えたらいい。 また一つ、
疑惑
(
ぎわく
)
が
生
(
う
)
まれた
瞬間
(
しゅんかん
)
。
図
(
はか
)
らずも。
再
(
ふたた
)
び
特攻
(
とっこう
)
を
仕掛
(
しか
)
けたカーツェルと行き
違
(
ちが
)
い
様
(
ざま
)
に、
力尽
(
ちからつ
)
きた
奇襲兵
(
きしゅうへい
)
。 彼を受け止めたのは、
機動支援
(
きどうしえん
)
、
請
(
う
)
け
負
(
お
)
いの
技能兵
(
ぎのうへい
)
により
遠隔召喚
(
えんかくしょうかん
)
された
緩衝体
(
バッファー
)
。
運良
(
うんよ
)
く高台に落ちてくれたので、
間
(
ま
)
に合わせ
物資
(
ぶっし
)
でもどうにかなったが ...
際
(
きわ
)
どかった。
安堵
(
あんど
)
し
両手
(
りょうて
)
で顔を
覆
(
おお
)
ったルースは、
堪
(
たま
)
らず
席
(
せき
)
を立つ。
天井
(
てんじょう
)
に近い所まで組み上げられた
装置
(
そうち
)
を飛び
降
(
お
)
りると。 元
巡視船
(
じゅんしせん
)
の
主配電盤
(
しゅはいでんばん
)
が立ち
並
(
なら
)
ぶ
壁沿
(
かべぞい
)
いを行く。
排気扇
(
はいきせん
)
や
通気筒等
(
つうきとう など
)
、
設備
(
せつび
)
が
犇
(
ひし
)
めく中。 それらを
背
(
せ
)
に、細い
鉄扉
(
スチールドア
)
を
開
(
ひら
)
いて
駆
(
かけ
)
け出てた先には。
狭
(
せま
)
い
廊下
(
ろうか
)
と
上
(
のぼ
)
り
階段
(
かいだん
)
。 彼は思った。
遊撃部隊
(
ゆうげきぶたい
)
の
基本兵装
(
きほんへいそう
)
である
防具
(
プロテクター
)
... いや、せめて
頭甲
(
マスク
)
だけでもあれば、こんな事には ... ...
吸気
(
きゅうき
)
を
補助
(
ほじょ
)
する
装備
(
そうび
)
も無しに。 よく、あそこまで持ち
堪
(
こた
)
えたと思うものの。 ルースの
念頭
(
ねんとう
)
には
後悔
(
こうかい
)
しかない。 あの日。 国外逃亡を
図
(
はか
)
る
直前
(
ちょくぜん
)
。
盗
(
ぬす
)
みは
駄目
(
ダメ
)
だと
諭
(
さと
)
し、アルウィの手から
装備物資
(
そうびぶっし
)
の入ったケースを一つ
奪
(
うば
)
い、
律儀
(
りちぎ
)
にも
返却
(
へんきゃく
)
したのは彼、ルースだったのだ。
綺麗事
(
きれいごと
)
を言っている場合ではなかったのに。 戦線で生き残ろうとする者に対する
思慮
(
しりょ
)
が足りなかった事を
熟
(
つくづく
)
、
恥
(
は
)
じる。
賃貸型住居
(
コンドミニアム
)
横の
路地
(
ろじ
)
に
面
(
めん
)
す地下から出た彼は、
竜巻
(
たつまき
)
の
被害
(
ひがい
)
を受けたらしい
通
(
とおり
)
りへ向かい、また、
高台
(
たかだい
)
を探して走った。 目標点から
一直線
(
いっちょくせん
)
にフェレンスを
追跡
(
ついせき
)
する場合。
吊
(
つ
)
り
展望
(
てんぼう
)
の
中空
(
ちゅうくう
)
を
通過
(
つうか
)
せざるを
得
(
え
)
ないが。 相手が
面々
(
めんめん
)
の
狙
(
ねら
)
いを思い当て、
誘導
(
ゆうどう
)
に
応
(
おう
)
じたとも
限
(
かぎ
)
らない。 ともすれば、この
展望施設
(
てんぼうしせつ
)
を落とす気で来る ... ... 時を同じくして、ノシュウェルが
脇
(
わき
)
に
収
(
おさ
)
めたのは、 もしもの時に
備
(
そな
)
え
構
(
かま
)
えていた
小銃
(
しょうじゅう
)
。
特攻
(
とっこう
)
の
予備動作
(
よびどうさ
)
を
見計
(
みはか
)
らい、
外套
(
がいとう
)
の
袖
(
そで
)
をたくし上げた彼の
左腕
(
ひだりうで
)
には、
半手動式誘導装置
(
はん しゅどうしき ゆうどうそうち
)
。
来
(
きた
)
る
魔導兵
(
まどうへい
)
は
冥府
(
めいふ
)
ノ
焔
(
ほのお
)
を
翻
(
ひるがえ
)
し、冷気を
拡散
(
かくさん
)
。
多重渦竜巻
(
たじゅううずたつまき
)
を
従
(
したが
)
えた。
内
(
うち
)
、一つに
身
(
み
)
を
宿
(
やど
)
すや
否
(
いな
)
や。
昇
(
のぼ
)
り
竜
(
りゅう
)
が頭を
下
(
お
)
ろして横を向くかのように、こちら
目掛
(
めが
)
けて
牙
(
きば
)
を
剥
(
む
)
く。
旋風
(
せんぷう
)
の
転動
(
てんどう
)
と
揺
(
ゆ
)
らぎの
撃発
(
げきはつ
)
を合わせた
特攻
(
とっこう
)
とは、
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
る。 「アレに
敵
(
かな
)
うとは、とても思えんが ... 」 目的は、あくまでも向かってくる相手の
軌道制御
(
きどうせいぎょ
)
。
急拵
(
きゅうごしら
)
えの
多連装砲撃機構
(
たれんそう ほうげききこう
)
が、どこまで
通用
(
つうよう
)
するだろう。
雲
(
くも
)
から
吹
(
ふ
)
き
下
(
お
)
ろし
乱
(
みだ
)
れる風を受け。
各人員
(
かくじんいん
)
、それぞれの
頭巾
(
フード
)
が
浮
(
う
)
き上がり、
激
(
はげ
)
しく
靡
(
なび
)
いた
瞬間
(
しゅんかん
)
。 その魔導兵は、竜が
吐
(
は
)
き出す
蒼
(
あお
)
き
焔
(
ほむら
)
の
如
(
ごと
)
く、
押
(
お
)
し
迫
(
せま
)
った。 ノシュウェルが
装置
(
そうち
)
に手を
添
(
そ
)
え、
爪先
(
つめさき
)
で一線を切るように
片開
(
かたびら
)
きの
蓋
(
カバー
)
を
弾
(
はじ
)
き上げると。
並列
(
へいれつ
)
した
法石
(
マギアナイト
)
が指輪の
鍵印
(
けんいん
)
に反応し
放光
(
ほうこう
)
、
作動
(
さどう
)
する。
展望
(
てんぼう
)
の
各所
(
かくしょ
)
から
放
(
はな
)
たれた
誘導弾
(
ゆうどうだん
)
の多くは、 魔導兵の
操
(
あやつ
)
る
旋風
(
せんぷう
)
に
巻
(
ま
)
き上げられ、
誘爆
(
ゆうばく
)
。
残
(
のこ
)
ったのは、ほんの数発だ。 とは言え、
冥府
(
めいふ
)
ノ火を
盾
(
た
)
とするしかない相手の事。
幾
(
いく
)
らかの
幅寄
(
はばよ
)
せは
利
(
き
)
くはず。 だが ... そう
上手
(
うま
)
くは行かなかったよう。
想定内
(
そうていない
)
である。 それぞれの置かれた
場面
(
ばめん
)
に
映
(
は
)
え、
遷
(
うつ
)
ろうのは。
塵風
(
じんぷう
)
に
煽
(
あお
)
られ
踊
(
おど
)
る
髪
(
かみ
)
。
高台
(
たかだい
)
へ
急
(
いそ
)
ぐルースの
青藍
(
せいらん
)
。
一命
(
いちめい
)
を取り
留
(
と
)
めたものの、意識の無いアルウィの
胡桃色
(
くるみいろ
)
。
息
(
いき
)
を
静
(
しず
)
め、集中するノシュウェルの
深緑
(
しんりょく
)
。 そして、
精霊王
(
せいれいおう
)
ノ
瞳
(
ひとみ
)
を手で
隠
(
かく
)
し、
時機
(
じき
)
を見るクロイツの
黄金色
(
こがねいろ
)
。
対象
(
たいしょう
)
の
目標点到達
(
もくひょうてん とうたつ
)
を
確認直後
(
かくにんちょくご
)
。
緩衝壁
(
アブソーバー
)
の
展開
(
てんかい
)
を
果
(
た
)
たしたのはノシュウェルだった。
打破
(
だは
)
すべく、
彼
(
か
)
の魔導兵は
咆哮
(
ほうこう
)
する。
一族
(
いちぞく
)
の
柵
(
しがらみ
)
。
結社
(
けっしゃ
)
に
属
(
ぞく
)
する兄の
思惑
(
おもわく
)
。
課
(
か
)
された
使命
(
しめい
)
、
主人
(
しゅじん
)
への
誠心
(
せいしん
)
にそぐわぬ
執着
(
しゅうちゃく
)
。
抗
(
あらが
)
いきれぬは
手枷
(
てかせ
)
。
制欲
(
せいよく
)
しきれぬは
足枷
(
あしかせ
)
。 クロイツは
呟
(
つぶや
)
いた。 「
選択
(
せんたく
)
の
対価
(
たいか
)
として
貴様
(
きさま
)
が
投
(
な
)
げ出したのは、
自身
(
じしん
)
の命、心、自由 ... それだけではなかろう?」
囚
(
とら
)
われたまま
泥沼
(
どろぬま
)
に引きずり込まれるも、
覚悟
(
かくご
)
のうえか。 さぞや
苦
(
くる
)
しかろうに。 だが、それらの
情念
(
じょうねん
)
が
同情
(
どうじょう
)
に
値
(
あたい
)
する事は無い。 「そう ...
貴様
(
きさま
)
が
正気
(
しょうき
)
を
装
(
よそおう
)
う、
正真正銘
(
しょうしんしょうめい
)
の
化け物
(
バケモノ
)
である事は分かっているのだ」
常軌
(
じょうき
)
を
逸
(
いっ
)
した男の気持ちなど、分かってたまるか ... ... そうして、
長
(
なが
)
らく
隠
(
かく
)
し続けた
真紅
(
しんく
)
ノ
瞳
(
ひとみ
)
を見開き、
捕
(
と
)
らえる。
自己覚醒
(
じこかくせい
)
を
経
(
へ
)
て
開放
(
かいほう
)
された ... カーツェルの第三ノ瞳が
宿
(
やど
)
す、
闇影
(
あんえい
)
を。 ところがだ。
視線
(
しせん
)
を
通
(
かよ
)
う
眼光
(
がんこう
)
から
真ノ名
(
まことのな
)
を読み
解
(
と
)
く
間
(
あいだ
)
に。
人違
(
ひとちが
)
いではないのかと
困惑
(
こんわく
)
した。
対象人物
(
たいしょうじんぶつ
)
の
身体域
(
しんたいいき
)
は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
として。
知覚領域下
(
ちかくりょういきか
)
の
造詣
(
ぞうけい
)
が
途方
(
とほう
)
も無い。
狂気
(
きょうき
)
を
鎮
(
しず
)
め、
一時的
(
いちじてき
)
に
眠
(
ねむ
)
らせるつもりだったが。
根源
(
こんげん
)
と思わしき
影
(
かげ
)
は、 あらゆる
印象物
(
いんしょうぶつ
)
から
無数
(
むすう
)
に
伸
(
の
)
びて来て
結
(
むす
)
び付いている。 これでは、とても
辿
(
たど
)
りきれない。
元
(
もと
)
に
戻
(
もど
)
せなくては
困
(
こま
)
るのだ。 ならば、このカタチのまま
縄
(
なわ
)
を
掛
(
か
)
けておくのが良いだろう。
迷
(
まよ
)
わず
判断
(
はんだん
)
を
下
(
くだ
)
したクロイツの
瞳
(
ひとみ
)
は、
名
(
な
)
により
隔絶
(
かくぜつ
)
された
閾
(
いき
)
を
開
(
ひら
)
いた。
正
(
まさ
)
に、その時。
脳裏
(
のうり
)
に
姿
(
すがた
)
を見せた
閃影
(
せんえい
)
は、 見たこともない男の顔をしていたような。 逆に、こちらの影を
踏
(
ふ
)
まれそうになって
退
(
しりぞ
)
くも。 ただで
済
(
す
)
ませてやるつもりは無い。
対峙
(
たいじ
)
する
影体
(
えいたい
)
の
手刀
(
しゅとう
)
は、
空
(
くう
)
を
斬
(
き
)
った。
直後
(
ちょくご
)
。 視線を切り
離
(
はな
)
したクロイツが、
目眩
(
めまい
)
を
起
(
お
)
こして
後退
(
あとずさ
)
ったところ。
駆
(
か
)
け付け、
支
(
ささ
)
えるノシュウェル。 すると、何が
起
(
お
)
きたか。
緩衝壁
(
アブソーバー
)
を
突破
(
とっぱ
)
しそうだった
魔導兵
(
まどうへい
)
が、
予兆
(
よちょう
)
もなく
急降下
(
きゅうこうか
)
。
氷塊
(
ひょうかい
)
で
建物
(
たてもの
)
を
割
(
わ
)
って落ち。
倒
(
たお
)
れた
姿
(
すがた
)
のまま
暫
(
しば
)
らくジタバタした
挙
(
あ
)
げ
句
(
く
)
に、気を
失
(
うしな
)
ってしまったようなのだ。
恐
(
おそ
)
ろしく
気味
(
きみ
)
が悪い。 しかも
墜落
(
ついらく
)
したのは、
高台
(
たかだい
)
を見つけて
急
(
いそ
)
ぐルースが
通過
(
つうか
)
したばかりの場所。 運良く
角
(
かど
)
を
曲
(
ま
)
がったばかりなので、
衝撃波
(
しょうげきは
)
と、
飛散
(
ひさん
)
する
瓦礫
(
かれき
)
の
被害
(
ひがい
)
は受けずに
済
(
す
)
んだが。 「 ハァ ... ハァ ... ウザったいな。
叩
(
たた
)
き
落
(
お
)
とされた
蝿
(
ハエ
)
じゃないんだから ... ... 」 一度、
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて
見流
(
みなが
)
すルースの
呟
(
つぶや
)
きは
辛辣
(
しんらつ
)
。 聞いていたクロイツは
指先
(
ゆびさき
)
で
顳
(
こめ
)
かみを
抑
(
おさ
)
え、
静
(
しず
)
かに笑った。 「 ククク ... ...
大人
(
おとな
)
しくしていれば良いものを。
焦
(
あせ
)
って
不覚
(
ふかく
)
を
取
(
と
)
るなど、
矢鱈
(
やたら
)
と人間
地味
(
じみ
)
た
化け物
(
バケモノ
)
だ。 その
上
(
うえ
)
、
醜態
(
しゅうたい
)
を
晒
(
さら
)
すに
事欠
(
ことか
)
き
退
(
しりぞ
)
くとは。 とんだ
臆病者
(
おくびょうもの
)
ではないか」
焦
(
あせ
)
る?
不覚
(
ふかく
)
? クロイツは何を見たのだろう。 ノシュウェルが
尋
(
たず
)
ねた。 「いやはや、ごもっとも。ですが ...
一体
(
いったい
)
、何をどうすれば、ああなるんですか」 答える声は
掠
(
かす
)
れ
気味
(
ぎみ
)
。 「いとも
容易
(
たやす
)
い。
視覚
(
しかく
)
と
前庭覚
(
ぜんていかく
)
ともに、
神経信号
(
しんけいしんごう
)
の
配列
(
はいれつ
)
を
真逆
(
まぎゃく
)
にしてやったのだ」 分かりやすく言うと。
反転
(
はんてん
)
の
機能障害
(
きのうしょうがい
)
に
陥
(
おちい
)
っているという
理由
(
わけ
)
である。
握
(
にぎ
)
ったはずの手が
開
(
ひら
)
き。 右を
向
(
む
)
いたつもりでも、見えるのは左側。
見受
(
みう
)
けた
写像
(
しゃぞう
)
の上下左右まで
逆
(
ぎゃく
)
になるとの事だった。
具合
(
ぐあい
)
が悪くなりそう。 想像しかけたけれども、
止
(
や
)
めておこうかな。 ノシュウェルの
口元
(
くちもと
)
が〈ヘ〉の字に
窄
(
すぼ
)
んだのを見てクロイツは言う。 「意識が
戻
(
もど
)
っても
暫
(
しばら
)
くは
吐
(
は
)
き続けるだろう。
対処
(
たいしょ
)
は、
当国
(
とうこく
)
の
同志諸君
(
どうししょくん
)
に
委
(
ゆだ
)
ねる。 ... 以上」
役
(
やく
)
を
下
(
お
)
りて、
懐
(
ふところ
)
から出ていく
先導
(
せんどう
)
の
足取
(
あしど
)
りは、まだ少し
心許
(
こころもと
)
ない。
展望施設
(
てんぼうしせつ
)
の
端
(
はし
)
に向かう背中を、ノシュウェルは ... ただ
見送
(
みおく
)
った。 目的を
果
(
は
)
たし
佇
(
たたず
)
む、
多連装重火器
(
たれんそうじゅうかき
)
の
間
(
あいだ
)
を
通
(
とお
)
り。 やがて立ち止まったクロイツが
見渡
(
みわた
)
しているのは、
眼下
(
がんか
)
に
乱
(
みだ
)
れ
散
(
ち
)
らばる、
惨禍
(
さんか
)
の
爪痕
(
つめあと
)
。
主従
(
しゅじゅう
)
の
滞在先
(
たいざいさき
)
として、
岬街
(
みさきまち
)
の
外
(
はず
)
れに
位置
(
いち
)
する
古家
(
こや
)
が
選
(
えら
)
ばれたのも。
極力
(
きょくりょく
)
、
被害
(
ひがい
)
を
抑
(
おさ
)
えるためだろう。
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
したとも言い
難
(
がた
)
い
有様
(
ありさま
)
だが。 次に気に
掛
(
か
)
かるのはフェレンスの
状況
(
じょうきょう
)
。
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
るクロイツの
目線
(
めせん
)
を
辿
(
たど
)
るように。 ノシュウェルもまた、アイゼリアの
首都
(
しゅと
)
、イシュタット
中心部
(
ちゅうしんぶ
)
を見やった。
突然
(
とつぜん
)
の
零下
(
れいか
)
に
襲
(
おそ
)
われた
避難民
(
ひなんみん
)
の
吐
(
は
)
く
息
(
いき
)
は白く。
身震
(
みぶる
)
いしながら
堪
(
た
)
え
忍
(
しの
)
ぶ
大人
(
おとな
)
と、
年寄
(
としよ
)
りの
傍
(
そば
)
に来て、
毛布
(
もうふ
)
を
分
(
わ
)
け
合
(
あ
)
う子供と、それぞれ。 すると
何処
(
どこ
)
かで。
寒冷
(
かんれい
)
を
払
(
はら
)
うように
振
(
ふ
)
り
上
(
あ
)
げられた手が、
指先
(
ゆびさき
)
が、
空
(
そら
)
を
指
(
さ
)
す。 その
姿
(
すがた
)
を
見上
(
みあ
)
げるのは、
寄
(
よ
)
り
合
(
あ
)
う子供達の
内
(
うち
)
、一人。 少年は、こう言った。 「あの人、知ってる!」
新進気鋭
(
しんしんきえい
)
と
噂
(
うわさ
)
される
覡
(
かんなぎ
)
だ。
新手
(
あらて
)
を
用
(
もち
)
いた
薬
(
くすり
)
の
処方
(
しょほう
)
、
治癒
(
ちゆ
)
、
問題等
(
もんだいとう
)
の
解決
(
かいけつ
)
に
努
(
つと
)
め、
名
(
な
)
を
馳
(
は
)
せはじめた
銀髪
(
ぎんぱつ
)
、
碧眼
(
へきがん
)
の
御子
(
みこ
)
らしい。 中には、人々の知らせを聞きつけ、
彼
(
かれ
)
を
探
(
さが
)
して走る者もいた。 その姿を見るや、
両拳
(
りょうこぶし
)
を
固
(
かた
)
く
握
(
にぎ
)
って。
若者
(
わかもの
)
は
叫
(
さけ
)
ぶ。 「ぅぉおぉぉぉぉ
俺
(
おれ
)
の
推
(
お
)
し! キターーーーーーーッ!!」 おいおい。
誰
(
だれ
)
だよ ... ... 聞いて思わず
吹
(
ふ
)
き出したのは、ヴォルトである。
前件
(
ぜんけん
)
の
始末
(
しまつ
)
をエルジオに
託
(
たく
)
し、フェレンスの
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
って来たのだ。 異端ノ魔導師への
期待
(
きたい
)
と、
実
(
じつ
)
の
働
(
はたら
)
きが
釣
(
つ
)
り
合
(
あ
)
うものか
見極
(
みきわ
)
めよ。 彼は、
王太子
(
おうたいし
)
ウルクアの
勅令
(
ちょくれい
)
を
受
(
う
)
けている。
当国
(
とうこく
)
の
体制
(
たいせい
)
を
二分
(
にぶん
)
する
政治勢力
(
せいじせいりょく
)
。
革新的
(
かくしんてき
)
、社会主義の
王党派
(
おうとうは
)
と
対立
(
たいりつ
)
するは。
保守的
(
ほしゅてき
)
、
共和主義
(
きょうわしゅぎ
)
を
標
(
しるべ
)
とする
議会派
(
ぎかいは
)
。
後者
(
こうしゃ
)
こそ、ウルクア
率
(
ひき
)
いる一部の
諜報員
(
ちょうほういん
)
が
寄
(
よ
)
る
党派
(
とうは
)
だが。
双方
(
そうほう
)
の
思想
(
しそう
)
を
別
(
わか
)
つ
起因
(
きいん
)
は、国家
機密
(
きみつ
)
に
相当
(
そうとう
)
するため。 フェレンスの
人柄
(
ひとがら
)
と
能力
(
のうりょく
)
を
評定
(
ひょうてい
)
する
必要
(
ひつよう
)
があった。
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嵩都 靖一朗
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