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第13話

眞司にスマホの画面を見せられた時…初めは何が映っているのか分からなかった。 いや、分かってはいた…分かってはいたけど…理解できなかった。 …どうして眞司のスマホに僕の姿が映っているのか…どうしてスマホに映っている僕は全裸なのか…どうして裸のお尻に指が2本入っているのか…どうして僕は自分のペニスを自分で扱いているのか…どうして僕は腰を振っているのか…どうして僕は喘ぎながらイっているのか…。 …どうして…さっきの僕の姿が…眞司のスマホに映って…。 「よく撮れているだろ?」 呆然とスマホを見ていた僕は、眞司の声で我に返った。 眞司の手の中にあるスマホを取ろうとして伸ばした手の先で、眞司はひょいと僕の手を避けた後、ポケットの中にしまった。 「…そ…それ…」 「………ん?」 「…け…消して…」 「駄目」 僕の懇願を眞司は冷たく却下した。 「これは俺のコレクションに加えるから…でも…そうだな、お前が俺のペットになるっていうのなら考えない事もないけど…?」 「…え……ペット………?」 「ペットはペットだよ。ん~、そうだな…俺の指示に従う事は当たり前として…俺の暇潰し?相手になったり…ま、愛玩っていうか…さっきみたいな?事をしたり…」 「…え…でも…同じ学校の人とは付き合わないって…さっき…」 「付き合わないよ。ペットって言っただろ。大体、俺、そういう相手には困ってないから」 戸惑っている僕の目の前に、黒いカードが突きつけられた。 「俺の部屋のカードキー。俺のペットになるなら、受け取れ」 …眞司の部屋の……。 (欲しい!!) 僕は目の前に差し出されたカードキーを凝視したまま、ゴクリと唾を呑み込むと…カードキーを掴もうとソロソロと手を伸ばした。 「…これを受け取った時からお前は俺のペットだからな…カードの裏に俺のマンションの住所が書いてあるから。俺が呼んだら何をしてても、どこにいようがすぐ来い。お前、携帯は?」 僕は黙って首を左右に振る。 「…今時、携帯も持ってないのか」 少し呆れたように言われ、僕の頬が熱くなる。 …これを…友人に囲まれている眞司に言うのは…少し…恥ずかしいけど…。 「…ぼ、僕、友達…いないから…必要ないし…」 「…へぇ~、ま、俺はその方が都合がいいけど…後で携帯を渡すから学校が終わった後、俺の部屋で待ってろ」 「………え?」 「いいか、俺の住所は誰にも教えるなよ。皆、知らないんだから」 (…皆、眞司の住所を知らないんだ…) 思わず、ほくほくしてしまい…顔がニヤけた。 「お前は俺のペットだから、特別に教えるけど…他の奴には絶対、教えるなよ」 (………特別……) その言葉にドキドキした。 「…あ、でも、家族の人は…」 僕が勝手に部屋に入ったりしたら…。 「あ、俺、独り暮らしだから」 (…独り暮らし……。) 初めて知った……。 「この事も皆には秘密な」 (……秘密………) 2人だけの秘密が2つになって、その事実が僕をますますほくほくさせる。 …その時にはもう先程、眞司から見せられたスマホの事は僕の頭の中からすっかり消えていた。 (早く放課後にならないかな…) 眞司が去った後、服を着替え図書室を出た僕は呑気にそんな事を思っていた。 ペットの意味も分からずに…。 この時、僕は自分の身に起こる事を何も知らず…ただ…放課後を心待ちにしていた…

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