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第19話
-次の日、眞司はマンションを引っ越した。
理由は知らない。
僕は眞司について行くだけだから。
…でも、それからもそんな事が…何かに酷く苛ついているような、怒っているような、機嫌が悪い日が…度々あった。
そんなどこにもぶつけようがない苛立ちや怒りを僕にぶつけて…酷く抱いた次の日には住む場所を変える。
…まるで何かから逃げるように…。
でも、その理由を僕は知らないし、聞いてはいけないような気がした。
眞司が何かに苛立っていると同時に、何かに怯えているように感じたから…。
…あくまでも、“感じ”だけど…。
だから、そのイライラした苛立ちや、怒りを…他にぶつける事のできない全てを僕にぶつけている…そんな気がする。
もしかしたら、その為に眞司は僕をペットに選んだんだろうか…。
皆には見せない眞司を…学校とかで見せている姿じゃない、素の眞司を僕に見せてくれている。
そんな気がして…。
だったら受け止めよう。
そう思った。
何をされても全て。
黙って受け入れようと…。
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