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第39話

「……大丈夫か………?」 -目を開けると、心配そうな顔をした和巳が僕を見下ろしていた。 「………ここ……?」 目を開けた途端、和巳がいた事よりも部屋の中の様子が違う事に気付いた僕は周りを見回す。 その様子を不安に感じたからだと勘違いした和巳は、僕に安心させるようにニッコリと笑って口を開く。 「大丈夫。ここは俺の部屋だから、アイツらもここまでは来られないよ」 その言葉を聞いた僕は、飛び起きた。 「………えっ?……何?」 「………帰る」 「……えっ、帰る?…え、え?帰るってどこに?」 「眞司の部屋に帰る」 僕の言葉に驚いている和巳を横目に、ベッドを下りる。 「…バ……ちょっ……待てって!!」 慌てた和巳は僕の手首を掴む。 「…放して…僕、帰るから」 「…帰せるわけ、ないだろ…心配したんだからな!!いつまで待っても学校には来ないし…どうしたんだろうと思って…」 「放っておいて…帰る…帰らせて!!」 「…駄目だ!!…いいか、よく聞け…眞司はあの部屋に帰って来ない」 「………っ………嘘だ…っ!!」 「嘘じゃない!!……眞司は………眞司は今、付き合っているヤツがいる」 「嘘………っ!!」 「嘘じゃない…眞司は今、ソイツと一緒に住んでいる」 「…嘘だ…嘘だ…っ…信じない…っ!!」 「嘘じゃない。2人が一緒にいるところを…仲良く歩いているところを見たヤツが何人もいるし…俺も…相手を紹介された」 なかよクあるイテイルトコロ………。 ショウカイ……。 何……………。 それ………。 「…今、1番大切な人だって……紹介された……」 …イマ、イチバン大切なヒト………。 …その言葉に、僕の中の大切な何かが壊れて砕け散った音がした…。

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