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第42話

「さ、入って」 眞司のお兄さん-保さんに促されて靴を脱ぎ、スリッパを履く。 「………失礼します」 久し振りに眞司に会える。 (…なんか、緊張してきた……) 「そんなに緊張しなくていいよ。両親は旅行に行っててしばらく帰ってこないから…今,家には眞司とオレの2人きりなんだ…あ、眞司の部屋は2階だからこの階段、上がって」 保は僕の前に立って、案内してくれる。 …もうすぐ眞司に会える…眞司に会ったら聞きたい事、言いたい事が沢山あった筈なのに…もう…どうでもいいかも…眞司に会えたら…眞司の顔をひと目でも、見る事ができたら…。 階段を上がって突き当たりの部屋の前で止まると、保は僕を見て笑った。 「ここだよ」 その部屋のドアを3回ノックして声をかける。 「眞司、友達が来てくれたよ」 -返事はない。 「入るぞ」 だが、保は気にした素振りもなく、ドアを開けた。

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