身体を起こした南が、その手を伸ばす。 「さすがにこのままだと痛い、かもね」 　でも挿れるけど。そう続けた南が雛森の両足を大きく開かせる。 訪れるであろう衝撃に戦く雛森へと微笑を落とすと、ゆっくりと腰を沈めていった。 「──は……あっ、が、む……り」 　身を引き裂かれる痛み、それから押し開かれる圧迫感。そのどちらもが雛森を容赦なく襲う。息をすることを忘れた雛森は、目を見開いて身体を打ち震わせた。 「く、英良ちゃん……息、してよ」 　食い千切られそうなほどの締まりに、南も苦しげに顔を歪める。 半分ほどを挿れた状態で南は動きを止め、汗を滲ませて雛森に力を抜くよう助言する。けれど雛森にその声は届かず、一向に締め付けが緩まることはない。 「はぁ、きっつい……」 　ゆるゆると腰を揺すりながら、南は萎えてしまった雛森のそれを握った。軟い状態に戻った雛森自身を刺激すると、快感を覚えている身体は従順にも反応を示す。 　雛森の力が抜けたら身を進め、込められたら性器を愛撫する。それを数度繰り返すと、南のそれが雛森の奥の壁に当たった。 二人が限界まで結合したのだった。 「全部、入ったよ……初めてだね」 　南が言った言葉の意味がわからず、雛森は虚ろな頭で考えた。けれども、答えへと到達する前に思考を奪われる。 「んんっ、あっ……あぁっ」 　ずんずんと奥まで穿たれ、雛森は喉をのけ反らせる。目一杯に拡げられた蕾は、南が動く度に痛むが、奥を抉られる快感でそれは紛れて消えた。 　痛くて、でも気持ちよくて、やっぱり気持ちよくて痛みなど忘れる。雛森は、いつしか甘い疼きだけを追いかけることに夢中になった。 「ひっ、あ、ああっ」 　強引に開かれたはずなのに勝手に悦ぶ身体を持て余し、雛森は嬌声を上げる。南の滾りを受け止めた後孔が熱くて、どんどんと蕩けていく様を雛森は実感した。 グズグズに溶かすことが好きだ、と公言していた彼らしい巧妙なセックスに雛森は飲みこまれていく。