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第38話
「あき、らちゃん……すごく気持ちよさそう、だね」
そう揶揄する南もまた熱い吐息を落とす。
素直に悦ぶ雛森を啼かせることに熱中し、その身体と声を堪能する。雛森の熱を直に感じ、打ち込む腰の動きが止まらない。
「も、もう……っ、イク……イクから、やめ」
「それは無理なお願い、かな……僕も限界だし」
絶頂を迎え始めた雛森は内腿を震わせ、南をきゅうきゅうと締め付けて更なる快感を求める。離れることを許さない蕾が、中を蹂躙する雄を奥へと誘い、一層強く圧をかけた。
「だめ、だ……っ、イク、いっああぁっ」
告げたと同時に果てた雛森が痙攣を起こした。無心に腰を振っていた南も、その蠕動に耐えきれず、最奥まで捩じんだ自身を膨張させる。
「くっ…………はぁ、すごい」
ぶるり、と身震いした南が熱い飛沫を迸らせる。そこでやっと雛森は南の言った『初めて』に気づいた。
「な、んで……」
じわりと注がれる熱。とくとく、と南が吐き出した熱が雛森の中へ浸透していく。
「やっと気づいたんだ? 英良ちゃんにしては遅いね」
意地悪く笑った南が腰を動かすと、雛森には余計に中のものがリアルに感じられた。
この時、南は避妊具を付けていなかった。あの『初めて』の意味は、初めて直接触れ合うということだったのだ。
南が必ずそれを身に纏うことを知っている雛森は、驚き南を見上げる。
自身を見つめる雛森の表情に、額に汗を滲ませた南が苦笑した。
「理由、わからない?」
訊ねてくる南の声は優しく、さっきまでの凶暴なセックスを忘れそうになる。けれど中に潜んでいる南のそれは、まだ存在感を失ってはいない。
南の言葉と声色の違い。それに戸惑い、黙る雛森の拘束が外される。自由になったその手を取った南が、雛森の手首に恭しく口付けた。
「そのうちわかるよ。今はまだ早いから秘密」
「なに言って―……あっ」
「とりあえずもう一回、ね?」
知らない間に硬度を取り戻した南のそれが律動を始める。すぐに波に飲まれた雛森は、やはり前回同様、南の好きなように翻弄され気づけば両手をその背中に回していた。
初めてがあるなら二度目もあり、三度目もある。
ダイレクトに南を感じつつ、雛森は夜通し甘く啼き続けた。
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