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バイバイー14

あの時は寧音と同じクラスになりたくて必死で勉強をしている僕を横目に、知らん顔をしていたのに。 「成績をあげて寧音を見返してやろうぜ」 ……………おい!! 見返すってなんだよ、見返すって。 俺はまだ、寧音と別れてないっつーの。 それに……寧音は頑張っていい大学に入らなければいけないんだから。 頑張り屋さんの寧音が両親の期待に答えようと頑張ってる事を僕は知っている。 寧音にとっては今が大事な時期。 だから、邪魔しちゃいけない。 だから少しくらい会えなくても、寂しいなんて思っちゃいけない。 そうさ。 寧音を見詰めている僕に、寧音が気付かなかったくらいで………。 寂しいなんて僕の我が儘だ。 そうだよ。 同じ学校にいるんだし。 会おうと思えばいつでも会える。 寧音の顔を見たければ、寧々の教室に行けばいいんだし。 ……………うん。 それに、なんといっても僕達は付き合っているんだしっ。 全然、大丈夫さっ!! と思っていたのに………。 ……………………………………………………。 …………………………。 ……………。 「…私達………少しの間、距離をおいたほうがいいと思うの」 ……………………………………………………。 ええぇぇぇえええぇぇーっ!! 久し振りに寧々に呼び出されてルンルンとスキップしながら、待ち合わせ場所に来てみたら…。 うっそーっ!? まさかの別れ話っ!? 「……えっ……なっ……どっ…どうして……っ!?ぼ……僕、な……何かした……っ!?」 あまりにも吃驚しすぎて、焦ってどもってしまう僕。 「……ごめんなさい………」 寧々は悲しそうに目を伏せて俯く。 「…隼人は悪くないの……私が悪いの……」 「………ど、どうして……?」 「…両立できると思っていたの……勉強も、隼人との付き合いも……でも、成績、落ちちゃって……先生にも、両親にも怒られちゃって……少し、隼人との付き合いを考え直した方がいいんじゃないかって……」 ……やっぱり………。 寧々の言葉を聞いて最初に思った言葉はそれだった。 あの昼休み…箸を片手に一心不乱に勉強をしていた寧々を見た時からこんな日がくるだろうと恐れていた。 ………気付いていた。 分かっていた。 クラスが替わってから、寧音に余裕がなくなってきた事。 昼休み、一緒に食事をしなくなった。 朝、一緒に登校しなくなった。 放課後、図書室へ行かなくなった。 一緒に勉強をする事もなくなり。 自然と会う回数も減っていき。 廊下で偶然、擦れ違う事もなくなった。 全校朝礼で、寧音と視線が交わる事もなくなって。 だから。 時々、寧音のクラスにこっそり顔を見に行った事もある。 今だって寧々に会いたいと思ったら、そうやってこっそりと見に行くしかないのに…。 これ以上、距離を置くって…別れようって言っているのだろうか…。 嫌だ!! 別れたくない。 初めて出来た彼女なのに。 そう思っているのに………。

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