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遠くの夕焼けに初恋、消えたー10
治夫も初めから寧音が好きだったのか…。
知らなかった。
「そんな事、一言も…」
「言えるわけないだろ」
悔しそうに唇を噛み締める治夫。
そうか。
そうだよな。
寧音の事を惚気まくっていた僕に自分も寧音が好きだなんて言えないよな…。
「何度も諦めようとしたけど、駄目だった」
そうか…治夫も苦しんだんだ。
でも、そうだよな…気持ちはコントロールできないもんな。
好きな気持ちを諦めようとしても、諦められるものじゃないよな。
よく考えたら、治夫が寧音を好きになり、寧音が治夫を好きになったなら僕の出る幕はないじゃないか…。
「初めて会った幼稚園の頃に一目惚れして、結婚しようと心に誓って依頼ずっと思い続けて…」
ええぇぇぇ~!!
幼稚園の頃から!?
それじゃ、僕が寧音と会うずっと前からじゃないか!!
………全然、知らなかった。
それならそうと言ってくれれば…。
…………………。
……………ん?
幼稚園の頃?
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