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恋と嘘と現実とー15

僕の事を忘れてしまうなんて…。 忘れるなんて…。 なんて…。 …………………………。 なんて、泣いている場合じゃな~いっ!! ぜってー、僕の事を思い出させてやる!! このままだと、寧音に治夫を取られてしまう。 そんな事、させるもんか。 だいたい治夫に僕の気持ちをまだ、伝えていない。 …でも…どうやって無くした記憶を戻すんだ…? …………………………。 ……………そうだ!! よく漫画やテレビなんかでは頭を強く打つと、記憶が戻ったりしているよな…。 …やってみるか…? そう思ったものの、どんな物で頭を叩けば記憶が戻るのか…。 堅すぎる物や重すぎる物だと、怪我をさせるかもしれないし…小さすぎる物や軽すぎる物だと記憶が戻らないかもしれないし…。 …う~ん…。 何か手頃な物はないかと考え込んだ僕の目の端にクッキーの缶が見えた。 …最初はこれで試してみるか…。 僕はその缶を掴むと、鞄に入れて病院へと出掛けた。 絶対、思い出させてやるからなっ!!

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