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瞳の中、君にー8
「隼人、食堂に行くの?一緒に行こう」
「………治夫」
俺の声に振り向いた隼人は、俺を見て複雑な表情をする。
何ていうのか…笑っているのに、泣きそうな…嬉しいのか、哀しいのか分からない…そんな顔。
どうしてそんな顔をするのか、聞きたいのに聞けない。
何だか、聞いてはいけないような気がして…。
そんな顔をさせているのはもしかして俺…?
俺を見た隼人の口が開かれた。
その時。
「治夫」
俺の名を呼ぶ声がした。
「一緒にお昼、食べよう」
振り返ると、寧音がニコニコ笑顔で立っている。
その姿を見て、俺は心の中で溜め息を吐く。
怪我が治り、学校に復学する前日、お昼は一緒に食べようねと嬉しそうに話す寧音に、昼は隼人と一緒に食べるからと言ってあったのに。
それなのに寧音は毎日、昼休みに俺を誘いに来る。
「…あ、悪い。昼は隼人と一緒に学食に行くから」
何回も言った言葉を、俺はまた繰り返す。
「…え~…」
上目使いで俺を見て、唇を尖らせる寧音。
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