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いつか、君の声がー9

-治夫に会えないまま、日々は過ぎていく。 寧音に邪魔されているわけじゃない。 治夫が僕を避けている。 …確かに、最初は寧音が治夫と僕の間に壁のように立ち塞がっていたけど。 でも、その間も電話をしても、メールを送っても、何度もLINEを送ったのに。 返信がない。 LINEに既読は付いているから読んでないわけないのに。 返信がない。 最初は忙しいんだろうと思って待っていたけど。 何日も返信がなければ、いくら鈍い僕でもさすがに気付く。 (…これが…既読スルーというヤツか…?) そう、気付いてしまうと。 寧音が僕の前からいつの間にかいなくなって、治夫に会いに行くのに何の障害もなくなったというのに…今度は、僕の方から治夫に会いに行きづらくなってしまった。 (…僕、何か、治夫を怒らせるような事をしたっけ…?) いくら考えても思い当たらないし、わからない。 …あまりにも考え込んでしまった僕は…熱を出し、寝込んでしまった。 そして。 その日。 いつもなら僕が学校を休むと、心配してしつこいくらい学校から僕の携帯にLINEを送り、学校が終わると見舞いに来てくれていた治夫は………。 来なかった。 電話も。 LINEにさえ。 連絡が来る事はなかった。

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