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10-鉛筆

ウチの玄関には、大きめの姿見がある。 玄関と言っても、靴を脱ぐ場所から少し行ったところに服をかける棚があり、その向かい側にある、という具合。 廊下と言っても差支えないだろう。この家は無駄に広いのだ。 俺はその目の前で全裸になる。その手には、鉛筆と、銀色の輪っか。 一応言っとくとこの鉛筆は、俺の私物だ。 生徒の物を勝手に汚すなんて不埒なことはできない。忘れ画材ボックスなんてものがあるくらいには量溜まってるんだけどな。 流石に道徳的にどーよってな。 今日はこれから、この鉛筆と銀色の輪っか…コックリングをハメた状態で調べ物をするのだ。 よく使用する鉛筆を挿入することで、背徳的な気分のエッチを狙うぞ。 後ろのクローゼットを開けて常備されているローションボトルを取り出し、鉛筆と尻に塗りつける。 鏡の前で惜しげもなく足を割りM字開脚をすると、無表情で貧弱な体つきの男がバカにかわいらしいサーモンピンクのケツ穴を晒しているのが映り込む。 これも、鉛筆を挿れる姿を見ることで背徳感を煽るためだ。 狙い通りだろうか、なんとなく罪悪感のようなものが体の中に湧き上がり、鏡から目を逸らして秘部を見るのに集中する。 小指をつっこんでみて問題ないか確認してから、鉛筆の尻側から挿れていく。物自体の長さは中程で、デッサンしたり物を書くには少々足りない程度。 「えーと、こうか…!?」 まるで純潔ですみたいな顔してる穴は、俺の期待に反して一瞬で鉛筆を食ってしまった。 両方潤滑剤でぬめっていたせいもあるのだろうが、トゥルッ!はいおわり!って感じ。 わんこそばかよ。なんだこれ。 中に異物を挿れたくせに、大した違和感もない。完全にないって訳ではないが、期待ハズレだ。 つーか普段からバイブやらバイブやら、挿れすぎなんだな。ケツもほぐす必要ないくらい柔らかかったし。 「あー…あー、なるほど。なるほどな?」 我ながら絵面がシュールすぎんだろ。 前を向くと、白けた顔の俺。 そんな顔するなよ。萎えるだろ。 「チクショーめ」 虚しさをポソポソと呟いて紛らわせつつ、ためしにケツに力を入れてみるとスポーンとえんじ色の鉛筆が穴から出てくる。一瞬でだ。 ははは、ギャグじゃん。 しかし、鉛筆一本ダメにしといて辞めるわけにもいかないな。 もっと奥につっこんで挿れ戻しておく。 んで、萎えてる息子にもコックリングをつけて、軽く扱いて取れないようにする。

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