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11-家
「…ただま……」
痴漢をなんとか振り切り、というより、痴漢が満足するまで触らせてようやく離れることができた。
自宅の玄関までたどり着いて、安堵のため息をつく。
家の電気をつけ、そのままズルズルと力が抜け座りこみそうになるのを我慢して、風呂場へ向かう。
今は、一刻も早く体を洗いたい。
しめったスラックスを脱ぐと、中に履いていた紺色のボクサーパンツは股間全体は濡れて気持ち悪い状態になっていた。精液も付着しているし、それ特有のにおいで吐き気がする。
指でつまむようにして脱いでいると、足がもつれて床に転げてしまった。
「痛つつ…」
あーやばい、疲れてんだな俺。
すぐに起き上がろうとするけれど、床にのびた体は、そのままそこがしっくりくるとばかりに落ち着いてしまった。手足も持ち上がらない。
風呂場は少し温かみのある木目調のフローリングで、そんなに寒いわけじゃない。
このまま寝ても風邪はひかないだろう。
あー、疲れたな。うん、疲れた。
倒れたままぼんやりと考える。
瞼も重い。射精したし、精神的な疲労もある。
こんな体で寝るのはごめんだが、だめだ、ねむい。
回復体位みたいな体制で下半身丸出しでバカみたいだ。
そういやトイレ行きてーな。
ゆっくりと起き上がる。
生理現象には、何者だろうと勝てはしないのだ。
とはいえ、トイレまで行く気力は湧かないので、そのまま服を脱いで風呂場に踏み入れる。
「うぁっ、と」
風呂場の椅子に腰を降ろしたとたん、また脱力してガクンと倒れかけた。
どうやら、自分が思う以上に疲れているらしい。
用を足した後、ゆっくりとその場で四つん這いになる。
あんまり好きじゃないんだけど、中を洗わないとな。
手を後孔に伸ばす。
軽く指で縁をなぞると、少し痛みがある。少し傷ついてしまっているのかもしれない。
「…っ、〜……、ん、ん」
なんとなしに指を入れると、中は最初から濡れて、ほぐれていた。
何度も痴漢にイかされたおかげで、やけにケツの感度が上がっている。腸壁をゆるーく指がこすれるだけで、生理的な涙が出て息が上がる。
まずい、興奮してきちった。洗う前に一発抜くか。
ケツを洗うのはやめて先にちんこにしてやり過ごそうかと思ったけど、そっちも先っぽをさわると悲鳴が出るほど敏感になってしまっていた。
「……、ぁ〜〜っ、あゃっ、あ、っ」
ゆっくりまったりと指を動かしているだけで、泣き声みたいな喘ぎ声が出る。
体ヤバいな、どうした俺。これが他人に体触らせた効果ってやつ?
ともかく、開いた口が閉じられないほどに感じてしまっている。
やめるにやめられずそのまま刺激し続けていると、腰がガクガクと跳ねて軽く達する。あー、クソ、きもちいい。
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