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11-夜
暗い、熱い、苦しい。
胎内に、熱い楔が打ち込まれる。
逞しい腕に細腰を掴まれ、強く何度も何度も腰を打ち付けられる。自己開発した身体には、度を過ぎた快楽だ。
逃げるように腰が跳ね上がり、嬌声が押し出される。
「あ゛あ゛あ゛ッあ゛ぁぁ゛あ」
激しく肉がぶつかりあう音に紛れて、ぐちゅ、くちゅ、と湿った音が鳴る。
うつ伏せの状態のこちらの上からのしかかられ、強く押さえつけられているおかげで、密着が深い。ソファーがギシギシと苦しそうな音を立てている。
相手の荒い息遣いを耳元で感じて、ぞわりと肌が粟立つ。
こちらが身を固くしたからか、動きが少し緩まる。
「ーー……?」
髪を軽く捕まれて、顔を覗き込まれる。
涙で、どんな顔をされているのか、よく見えはしないが…。
「み、ないで…」
思わず、甘ったるくとろけた声が出た。
自分の顔が、見る影もなく崩れ切っていることには違いないのだ。
こちらがソファーに顔を埋めると、律動が再開される。
「あはっあ゛っはぁ」
奥にずっぷりと逸物を咥え込まされたまま、細かく腰を揺すられる。奥をゴリゴリとこじ開けられて、腰が狂ったように跳ね回る。
気持ち良すぎて訳が分からない。
えぐえぐと泣き声が漏れたのは、果たして自分の声なのだろうか。
すぐに、激しい絶頂が来て体が痙攣する。ビクビク、電流を流されたみたいに。
「ゔあ゛ぁぁーーーっ…ああーーーっ…」
締め付けを物ともせず、奥を突き上げ続けられる。
元より回っていない頭が真っ白く塗りつぶされる。
耳元の息づかいも不規則に乱れる。
「もーちょっと、付き合って…ッ」
体が重い。
怠い、気持ちいい…
ーーーーーーーーーーーーー
「ッは、」
目が覚めると、部屋がむちゃくちゃ暑かった。
見上げると、ゴウゴウと唸りをあげて熱風を送り続けるエアコン。
やっちまった。
バスタオルが床に落ちている。全裸のまま眠ってしまったらしい。
正直寝た気がせず、欠伸を噛み殺しつつ、見つけたリモコンで電源を切りがてら時刻を見ると、7時。
「さすが俺」
額の汗をぬぐいポツリと呟いた声は、カスカスに枯れていた。
あれ、風邪ひいたかな。
そういえば、昨日あんなことがあったせいか、やらしい夢を見てしまった。
激しい夢だった。知らない人にここで犯される夢。
俺、そんな溜まってたんだなぁ。
ソファも汚れているだろう。掃除の手間に思いを馳せて、げんなりとする。
朝食でも食おうと体を起こし、足を踏み出すとそのまま膝から崩れてしまった。
…?ん?
立ち上がろうと力を込めるが、尻餅をついたまま動けない。
そして、ケツが痛い。
なんか奥の方がズグゥって痛むというか、足動かすだけで響いていたい…およよ…
つーかやっぱ昨日ので傷ついてんじゃねーか。
しかたなくソファに手をついて立ち上がろうとすると、膝がガクガクと震えてうまく立てない。
…えーと、ぶっちゃけ大袈裟すぎない?
腰は別に痛めるようなことしてねーし、昨日1人エッチしすぎたなんてこともない。そもそも寝落ちてっし。
発情期の前兆…は、まだだしな。あと半月はあるはずだ。
やはり風邪だろうか。それとも、痴漢に変な病原菌でももらってしまったのか。
ソファに腰掛け直すと、急にさっきまで気にならなかった体内の違和感みたいなのが湧き上がって大変気色が悪い。
こんな、事後痛ってやつ?残るもんなの?なあ。指しか入ってないのに?
不安になってきた。
性病なってたらどうすんだよ。チクショー、ケツ洗ったのに!
苛々としながら尻穴に軟膏を塗った。
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