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「三橋さん?」 「っ、ん」 顔を覗き込んで声をかけてみても、ほとんど反応がない。 赤い顔、荒い息づかい。彼の中で渦巻く熱が、せまい個室の中でこもっているようだ。 それに瞳が虚ろに潤んでいて、それが中々に扇情的だ。 「ちょっと失礼」 相手を背中から抱きかかえる。 服の上から無遠慮に股ぐらを掴むと、ピクリと背中が丸まって、壁越しに聞こえていた喘ぎ声がこいつの口から漏れた。 「三橋さん、聞こえてますか?」 「っ、…は、あ、は」 「三橋さん。三橋さーん?」 「えあ、あ、ん…。…ぁ」 「…なるほど。効きすぎたのか」 股間をそのまま、ぐにぐにと揉みこむ。 一瞬ヒヤリとしたが、何度か抜いてやれば大丈夫だろう。 「うっ…」 そう勝手に結論づけた時、腕の中の体がカクついた。 続いてズシ、と重くのしかかる体重と鼻を掠めたフェロモンで確信する。 「…マジかよ」 可哀想に。 今、彼のわびしいソロプレイよりもよほどいいことをしているに違いないのに。 ぐりぐりと少し柔らかくなった股間を押し続けていると、こいつの体はピクピクと引き攣る。 逃げようとする腰や手足を、体を使ってしっかりと押さえつける。 「あっ、あっ…はぁ、はぁ、はぁ」 「どうした。気持ちいいだろ」 なめらかな質感のワイドパンツは触り心地がいい。 薄くとはいえΩのフェロモンが鼻先を擽るので、こちらもぼんやりと理性が奪われていく。 「あっひっひっ」 「おわっ」 不意にヒイと引き攣った悲鳴がして、ぎゅっと腕の中の手足がこわばった。そして、一拍置いて股間部分が濡れていく。 匂いがしない。精液ではない。 「…あらら、わりい。ごめん、ごめんなぁ。男はあんま慣れてなくて。何回か抜いたら起きるかと思ったんだけど」 服はあとで買って返そう。 よしよし、と髪の毛を撫でてみるが、今ので疲れさせてしまったらしい。ますますぐったりとしてしまった。 「三橋さーん、起きてよ。勝手に穴使っちゃうよ、なあ。おい?」 正直、人形みたいなのを相手にしても面白くない。 肌を舐めると、こいつの匂いが染み込んだ汗が鼻腔を突き抜けて、ずくずくと下半身が熱を孕む。 「まあいいか」

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