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31♡ 6P

31♡ 6P 「葉璃」 「………っ…っ…」 リビングの扉を背に腕を組んでる聖南が、いつからそこにいたのか、背後から優しく呼んだ。 この分じゃ、歌ってた事も泣いてた事もバレバレなんだろうから、俺は口を噤んだまま聖南の方を見られなかった。 「俺まるっと40時間くらい起きてんだよ。 葉璃が隣に居てくれないと眠れないから、早く来て」 「………はい」 ワガママな恋人はそれだけ言うとまたベッドルームに戻ってしまった。 夜中痛くならないように痛み止めを水で流し込んで、ミネラルウォーターを持ってベッドルームの扉を開けると。 「…………っっ」 すぐ目の前に聖南が居て、何も言わずにぎゅぅっと力強く抱き締めてきた。 突然の事に、持っていたペットボトルを落としてしまって、それは俺の足のすぐ横を転がっていく。 「お前がそう言うならもう何も聞かねーよ。 俺の傍にいる以上、葉璃を100%信じる」 「………ぅっっ……」 「でも、しんどくなって抱え切れなくなる前に言え。 潰れちまうから」 今すでに抱え切れてないよ…って喉まで出かかった。 いつになく優しい聖南は、怒るでもなく、ヤキモチを焼くでもなく、ただただ俺を信じると言ってくれた。 それがどんなに心穏やかにさせてくれるか、聖南自身はきっと分かってない。 深く聞かないでくれた聖南の背中に腕を回すと、さらに強く抱き締めてくれて苦しかった。 でも今は、痛いくらいがちょうどいい。 ほんの少しの間だけ、ツラい事は忘れさせてほしかった。

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