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目の前の海賊聖南はいつもの無表情のままだけど、甘く苦しげな息遣いでそんなに余裕が無さそうなのが分かった。
「あー……気持ちいー……」
下から少しずつ揺さぶる聖南が、ぎゅっと俺を抱き締めて耳元で囁いてきた。
声さえも愛撫になるって何だよ、卑怯だよ。
中を熱くさせて、すぐにイかないように焦れったい動きで堪能する聖南の体にしがみつくと、さらにぎゅっと抱かれた。
呼吸を整えながら聖南を見上げる。
するとすかさず、キスの雨が降ってきた。
聖南の存在に慣れるまで待ってくれてるんだろうけど、俺はもう……動いてほしい。
焦れったいよ。
擦られる快感を知ってるから余計にもどかしくて、びくびくっとお尻が揺れてしまう。
俺……どれだけ感じたら気が済むんだろ。
「んっ……んっ……あ、あっ……ぁんっ…」
「葉璃ちゃん、なんでそんなかわいーの? もうちょいそのかわいーオーラ抑えてくんない?」
「な、……何? ……あっ、んっ……」
どんなオーラだよって聞いてみようとしても、やわらかな突き上げが止まらないからもはや何も考えられない。
だんだんと激しくなる動きに合わせて、俺は聖南の海賊衣装を掴んで悶えた。
ひっきりなしに襲い続ける快感に喉を反らせて感じていると、聖南が俺の鎖骨付近に吸い付いてまた痕を付けている。
そして俺の唇を見付けて、獣の如く噛み付いてきた。
「好き、葉璃。好き。好きだよ」
「……ぅん、っんん……やっ……グリッてしたら……っ」
「葉璃も言って」
「あっ、待って、……んん、んーっ……」
そんな……っ。奥をグリグリってするのをやめてくれないと、何も言えないよ。
ただでさえしがみつくのでやっとなのに、唾液を欲しがる聖南はさらにおねだりしてくる。
「好きって言って」
「は、っ……ぅ、っ……あぁ……っ」
「葉璃」
「んむ、っ……んっ……」
好き。何よりも、誰よりも、大好き。
そう答えたいのに、海賊聖南は無謀な催促をしながら眼帯姿で不安そうに俺を見詰めた。
先端から雫を漏らして揺れる俺のものを握り、何回も「好き?」と問い掛けてくる甘い声にただ頷く事しか出来ない。
満足そうに微笑んだ気配がしても、その麗しい表情を見る事さえ叶わない。
気持ちいい。お腹がすごく苦しいけど、とんでもなく気持ちいい。
俺は聖南首元に腕を回して、突き上げてくる熱に積極的に応じようとした。
その時だった。
「……あ、来たかも」
「えっ?」
聖南がそう呟くとほぼ同時に、部屋のチャイムが室内に響いた。
けれど聖南は動きを止めない。
ルームサービスが運ばれて来ても尚、俺を追い立てる腰は動き続けてる。
「聖南さん、っ……出なきゃ、……んんっ!」
「……ちょっと今出れないんで、そこ置いといてもらえますー?」
ふぅ、と大きく息を吸い込んだ聖南は、ドアに向かって張り気味にそう声を掛ける。
信じられないっ。
俺としてる最中に、なんでそうやって普通を装えるの。
向こうから「かしこまりました」と返事がして、俺は無意識に孔をキュッと窄めてしまう。
それが効いてしまったのか、聖南の追い立てはいっそう激しくなった。
「……っ……あぁっ……や、……やっ、激し……っ」
「メシ来たから冷めないうちに食わねぇとな。俺にしっかりつかまってて」
腰を持たれて肌と肌をぶつけ合わせている聖南が、性急にキスを求めてきた。
上下に揺さぶられ続けて、唇を塞がれてるから苦しくてたまらないのに、聖南にしがみついてると愛されてる実感が湧くから不思議だ。
何度も口の中の唾液を持っていかれて下唇を吸われて、俺も同じ事を返してやる。
そうすると聖南も嬉しそうに口の端を上げて微笑んだ。
好きだよ、聖南。大好き。
言葉なんか無くても、こうして抱き締め合ってればお互いちゃんと通じ合ってて、心を通わせられてる気がした。
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