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 真っ白で華奢な体を晒したまま、広いベッドの上でカスミソウのブーケを嗅ぐ可憐な姿を見れば、その体に飛び付かない男は居ないだろう。  その上、振り向きざまに照れたように微笑まれれば即挿入も致し方ない。  常々バックが嫌いだと言う葉璃だが、聖南の顔が見えない寂しさを緩和するように強く抱き締めてあげると、いくらか大丈夫らしい。  小さくて可愛いお尻の割れ目に物々しい自身を挿入する時は、穢してしまうのではという背徳感に襲われて異常に興奮する。  先ほど放った聖南の精液が、圧迫に負けて弾け出てくる様は相当エロかった。  二度目の射精の後、葉璃の背中に覆い被さって数回中を擦り余韻に浸る。  枕を抱いて荒く呼吸をする葉璃の背中をベロッと舐め回し、髪を優しく梳いてやると早くも自身が三度目を期待して固くなってきた。  ── でももう飛び始めてんな。  一度出したおかげで余裕を取り戻した二回目は、確かにしつこかったかもしれない。  腰や足を限界まで上げさせたり、反対に閉じさせてみたり、体位はバックだけだったとはいえ色んな角度で数十分も葉璃を貫いたせいか早くもクタクタに見える。 「はーる。目開けてよ。はい、これ」 「んっ……何?」 「誕生日プレゼント」 「え!? あぁぁっ……」  聖南がまだ中に居るのに、驚いた様子で突然上体を起こした葉璃が悶えながら枕に舞い戻った。 「そんな急に体起こすからじゃん。いいとこ当たった?」 「うん……。ていうかプレゼントって……そんな、俺なんかに……」 「また俺「なんか」って言ってるぞー。ダメだろ、俺のお嫁さんなんだから。……開けてみて」  そう言いながらも自身を引き抜く様子のない聖南は、葉璃がうつ伏せのままリボンを解くのを黙って見ていた。  細長いケースをパカッと開けた葉璃が、じわりと聖南を振り返る。 「……わぁ、かっこいい……!」 「葉璃が俺にくれたプレゼントには遠く及ばねぇけど、気持ちだけな」 「そんな事ない! 嬉しいです! ……ありがとう……聖南さん……っ」 「付けていい?」 「……はい」  思いの外感動してくれたようで良かった。  ちょうどバックの体位で装着しやすく、葉璃の首元が一気に華やいだ。  葉璃は色白なのでシルバーがよく似合う。  日常的に使用してほしかったので、アレルギー反応の可能性の低い軽量の純チタン製にしてある。  例の物を仕込むためにトップには大きなものを選んだが、思っていたほどは目立たないようで安心した。 「このトップは細工してあるから、寝る時は外してケースにしまっといてな。でも日中はずっと付けててほしい」 「細工?」 「そう。細工。トップ見えねぇようにわざとチェーン長めにしてあっから、仕事の時も学校で制服着てる時も常に付けとけよ」 「……うん、……こんな綺麗なの俺に似合います? ネックレス自体が初めてだから付け方も教えてもらわないと……」 「葉璃は何でも似合う、かわいー。あと、恋人がネックレス贈る意味、明後日俺と離れたらスマホで調べてみろよ。そんですぐ俺に電話して」  トップを指先で触っている嬉しそうな葉璃の頬に鼻先を擦り付けながら、グッと腰を動かした。  そろそろ動きたくなってきて、繋がったまま葉璃の体を反転させて左太腿を抱え上げる。 「えっ? あぅっ……! ……な、なんで……?」 「葉璃の反応知りたい。一緒に居られないのが残念」 「なんかもう分かっちゃったかも……」  ジリジリと動く準備を始めていると、葉璃がポッと頬を染めて聖南を射抜く。 「分かっちゃった? どういう意味だと思う?」 「んぁっ……あっ、……待って……喋れ、ない、からっ……!」 「ほらほら、頑張って。教えろよ、ん?」  言いつつ葉璃の唇を塞ぎ、舌を甘噛みした。  真面目な葉璃は話そうと躍起になって舌を動かしている。  結果、聖南の舌とくるくる交わる事になって、これはさすがに意地悪になるかと思ったがやめられない。  ネックレスが視界に入る度に優越感に浸り、跡が残らないように首筋への愛撫を我慢するのが大変だった。  代わりに耳の後ろの生え際には二つほど跡を残したが、来週までには消えるだろう。  ツアーが続く限り、しばらくはまだゆっくり葉璃と共に過ごせない。  一人になった葉璃がもしもこの痕に気付いた時、愛し合っている今を思い出して赤面してくれるのを期待した。 「……あっ……あぁっっ、も、むり、むりっ……」  三回目の絶頂間近で、葉璃がついに音を上げ始めた。  ベッドルームへ来て、前戯も含めたセックスを始めてからすでに三時間が経っている。  まだ休憩らしい休憩を取っていないからかと思い、聖南は急ピッチで腰を打ち付けた。 「んっ!? なん、なんで……っ? むり、って言った……のにっ……あっ……」 「葉璃、さっきからちょいちょい飛んでっから休憩しよ。俺まだ全然足んねぇ」 「なっ、……全然!? 嘘でしょっ?」 「嘘じゃねぇよ。覚悟しろって言っといただろ? 何回も」 「そん、そんなぁ……っ……んあぁっ……やっ……!」  絶句されても、まだまだ足りるはずがない。  禁欲していたからと理由付けするのも可笑しいと思った。 「いい声。葉璃の高音ってキュンキュンすんだよなぁ。毎日歌声聴いてんだよ、俺」 「へっ? ほ、ほんとに!?」 「スマホとタブレットに音源データ入れてっから。次の曲も半分は出来てるし」 「え、えぇっ!? ……あっ、んっ、……聖南、さん……! 早い、ってばぁ……!」 「すっげぇ悩んだんだけどさ、ETOILEの次のシングルも俺が書きてぇなぁと思ってて」 「あっ……あっ……そ、そんな大事な、話を……! んんんっ……や、イきそ……っ」 「俺もー。葉璃、俺の体に足絡ませて」 「み、耳元で……っ! やめ、やめっ……!」 「はーる♡」 「やっ、やぁぁ……っっ!!」  葉璃の甘い嬌声が聖南の脳を直撃した。  か弱く華奢過ぎる体を抱く腕に力を込めて、聖南も背中から腰を震わせて果てた。  ほぼ同じタイミングで射精した二人は、息も絶え絶えに強く抱き締め合う。 「……俺も葉璃の声好き」  薄目で放心状態の葉璃の耳元でそう囁くと、射精したばかりの聖南のものをキュッと締め付けてきた。  ピンクに染まった潤んだ目元からも、葉璃が本心から照れているのが分かって聖南は八重歯を覗かせてニヤついてしまった。

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