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★【BL萌えシチュをやってみた(恭也×葉璃)】2

〜 一本目・高校生編 〜  三時限目の終わり、困り顔の葉璃が俺の体操服を借りに来た。 「ごめん恭也、貸してくれる……?」 「もちろんいいけど、サイズ合わないだろうから裾折り曲げてね。 転んだら嫌だよ」 「そんなに余らないよっ。 あっ、ちゃんと洗って返すから! ありがと恭也!」  バイバイ、と手を振って駆けて行く葉璃の背中を愛おしげに見詰める。  俺の体操服じゃ葉璃が着たら絶対にブカブカなんだけど、他の人と貸し借りするのを許してないから仕方ないか。  腕を組み、窓辺に移動した俺はグラウンドを眺めた。 チラホラと男子生徒達が集まり始め、その中で一際輝くであろう葉璃の姿を探す。(ここからは合成映像が入り、俺の副音声。) 『あ、……葉璃だ。 やっぱり葉璃には大きいな』  冬のジャージは紺色で、上下長袖だ。  葉璃は俺が言った通り、足元はくるくると折り曲げてあったけれど上は……寒いみたいで指先まで覆われたままにしている。  萌え袖だ。 『可愛いなぁ……。 あっ、こっち見た』  グラウンドの砂の上をパタパタと小さな影が走り、教室の窓から葉璃を見ていた俺に萌え袖で手を振ってくる。  みんなに気付かれないようになのかな。 身振りを小さくして、それでも笑顔は隠しきれていない。  容赦のない可愛さだ。 『……窓際の席を死守してて良かった』  俺も小さく手を振り返して、あまり上手くない笑顔を浮かべた。  クラスが分かれたと知った瞬間、心をぐしゃっと握り潰されたみたいで途方に暮れたっけ。  けれど葉璃はこう言ったんだ。 「違うクラスでしか見られない光景もあるかもしれないよ。 忘れ物したら貸し借り出来ちゃうし」(回想)  ねっ?と首を傾げて、凹んだ俺を優しく諭してくれたから、気持ちを持ち直せた。  密室空間だと気分が悪くなるからとか何とか言って、一年間窓際キープしたのはすべて葉璃のため。  いや……葉璃の事を見張るため。 『今日はマラソンか……昨日激しくしちゃったのに大丈夫かな。 葉璃、走れる? ……え、うわ、ちょっと……俺の葉璃に気安く触んないでよ……!』  マラソン前、葉璃はクラスメイトの男子とペアになって準備運動をしていた。  昨日俺の家に泊まった葉璃を深夜まで離さなかったから、走れるのかなって心配してたのに……随分と楽しそうじゃない。  俺は授業そっちのけで、トラックをのんびりと走る葉璃を見詰めた。 … … … 「恭也っ……何っ? どうした、……っ」  俺の体操服を着た葉璃を更衣室まで迎えに行って、有無を言わさず教職員用のトイレに連れ込んだ。  一番奥の個室に入り、しっかりと鍵を掛けて扉に葉璃を押し付ける。(ごめん、葉璃。 痛くなかったかな……?) 「確かに違うクラスじゃなきゃ見られない光景だったよ。 葉璃にベタベタ触ってたアイツの名前は?」 「え、っ? 誰の事言って……」 「分かんないかなぁ。 ああいうのを見せつけられたくて俺は窓際をキープしてるわけじゃないんだよ。 葉璃が俺を見上げてニコッてしてくれるのを見たいから、俺は……」 「恭也……っ」  え、え、と戸惑う葉璃の細腰を抱いて、俺はそっと顔を寄せた。(どうしよう、こんなに近くで葉璃の顔を見た事ないかも。 緊張してきた……)  揺れる瞳が、少しずつ潤んでくる。  小さくて華奢な葉璃は、背格好だけだと本当に女の子みたいだから、あまり強く抱くと折れてしまわないかといつも心配になる。 「葉璃は誰のものだっけ?」 「…………っ」 「葉璃」 「…………恭也の、ものです……」 「分かってるならいいよ。 背伸びして、キスしてくれる?」 「えっ……! (ほ、本番だからほんとにしなきゃダメかな!? リハでは寸止めだったよね!?)」 「ほら、早く。 (寸止めでいいよ、俺がうまく避ける)」  言われるがまま、葉璃は俺の肩に手を置いて背伸びをした。  けれどそれでも背が足りない。 「何してるの。 早く」 「背伸びしてるよっ。 恭也も少し屈んで!」 「そんなに大きな声出したら先生達に見つかっちゃうよ。 あ、ほら……誰か入って来た」 「えっ……!」  扉の開閉音がしたかと思えば、明らかに誰かが用を足している。 葉璃はビクッと体を揺らし、どうしようと言いたげに俺を見上げて抱きついてくる。  誰かが出て行くまでずっと、俺のブレザーが皺くちゃになってしまいそうなくらい強くだ。  こんなの……興奮するなって方が無理でしょ。 「葉璃、……っ」 「ま、待って恭也! また誰か入って来たらどうする……」 「葉璃が声出さなきゃいい」 「そんなの無理だよ!」 「気持ちいいから?」 「そう! ……あっ……」  お尻を撫で撫でして(厳密には腰だった)、ここでしたいとアピールしたら葉璃もその気になってくれた。  いつもの俺との○○○が気持ちいいから、声は抑えられないんだって。  可愛くてたまんないよ。 「ふふふ……っ。 じゃあ俺の口で塞いどくね。 (葉璃、いくよ)」 「それじゃ息できない……。 (うん、うまくかわしてね)」  俺と葉璃は、同時に動いた。  ジャージの隙間から葉璃の素肌に触れた俺は、キスのために目一杯背伸びをしてくれた葉璃の唇をさらりと奪う。 「んっ……! (えっ……恭也っ!?)」  唇が触れ合った瞬間、葉璃の腰を抱いていた腕に力が入り思いっきり抱き寄せてしまった。 「…………。 (……ごめん、言い訳はあとでさせて)」 「…………。 (……分かった。 とりあえずジッとしとく) 」  ───カメラやスタッフさんの位置からは、構図そのものの通り運良く俺の後頭部しか見えていなかった。  でも俺達は、実際には五秒もの間唇を重ねていた。  葉璃の背伸びがさっきより伸びちゃってて、俺もちょっと興奮していたせいで距離間を見誤ったんだ。  セナさんに謝る事柄が増えた。  ごめんね、葉璃……。  ……どんなものよりも甘い味がしたよ。

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