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第39話

この古いアパートに似合わない古志くんと帰る事になるなんて、帰省する前は考えも出来なかった。 入居者のおばあちゃんが植えた花が暑そうに下をむいている横を通って階上へ案内する。 錆の目立つ階段を上がり一層暑さがきつくなった。 太陽に近付いたのだから当たり前か。 汗が吹き出てとまらない。 どんぐりのゲージを古志くんに一旦預け、鍵を開けると熱風が肌を舐める。 早く窓を開けてて換気がしたい。 それから… 「狭いですけど上がってください。 どんぐりありがとうございました…」 ドンッと背中に鈍痛が走った。 塞がれる口 捕まれる腕 全部アツい ぬるりと舌が咥内に入り込んでくる。 こんなキス、知らない… これまでよりも扇情的なキスに相川はきつく目を瞑った。 「んん、…ッ」 せめて玄関はと抵抗すると、腕を掴んでいた手が顎を持ち上げた。 「もう我慢出来ない」 古志の掠れた声に心拍数が異常なまでに上がる。 なにかを催促するよう顎を掴む手が動く。 「ぁ…ン、んぅ…ん」

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