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第43話
「…ッ、ぅ"く"」
鍵は締めていない。
だけど、殺しきれない声をどうする事も出来ない。
そこまで頭が回らない。
身体が言う事を効いてくれない。
「光輝さん、も、すこし…」
「ん"ン"ッ、」
古志は相川の首の後ろに腕を差し込み自分の肩に押し付けた。
もさもさした髪が頬に当たる。
汗のにおい。
相川のにおいに発情した汗のにおいが混じる。
好き
愛してる
子供みたいな単純な理由だ。
そんな理由で生物教師を犯し傷付け、逃げた。
それなのに、我が儘な自分はまたこの教師を求めてしまった。
ごめんなさい。
俺は、貴方から“世間が言うしあわせ”を奪います。
だけど、しあわせにするから。
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