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第44話
最初の痛みは思い出せない。
あんなに痛かった筈なのに。
ジンジンする後孔をゆっくり掻き回されて内臓が出そうで不快な筈なのに、とてもしあわせだ。
「ひ、ぁ……ぅッ、」
「やべ、きもち…」
何時の間にか古志くんの手が自分の手と絡んでいた。
お互い無意識だった。
「せんせ、触らなくても、イける…?」
「わっ、か…ない…、ぃ」
わからないが、気持ち良くてしあわせでそれだけで十分だった。
射精しなくて良いなんて、雄の生物としてどうなのだろう。
だけど、それで良いと思う。
きっと、相手が古志くんだからだろうな。
「扱いてあげる」
「イッ、いっしょ…だめっだ、…」
目の前の生徒が好きだと自覚してから、こんなしあわせな日がくるなんて思いもしなかった。
僕は、古志くんから“人が言う普通のしあわせ”を奪います
僕は、どうなっても構いません
地獄にでも喜んでいきます
だから、どうか、今だけは
古志くんとのこのしあわせを奪わないでください
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