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第81話

「古志くん、熱いお茶と冷たいお茶と、どっちが良いですか?」 階下の老女からいただいた羊羹を食べる準備をしていた相川は、崩れた洗濯物を畳直している古志に声をかけた。 そのままでも大丈夫だと言ったのだが、これくらいさせてくれと申し出され甘えさせて貰っている。 汚れたのは分けて貰って洗濯だ。 赤くなった腕は明日には赤みが引いてくれるだろうか。 なんだか最近は傷の治りが遅くなった気がする。 「冷たいのください。 つか、光輝さん身体大丈夫なんですか?」 「だ、大丈夫です…」 本当は腰が痛いが、動いてないとソワソワしてしまう。 いや、動いていてもソワソワはするのだが少しは気が紛れる気がする。 気だけでも、今は良い。 なんだかにおいも気になってしまい台所の方が落ち着くと言うかなんと言うか。 冷蔵庫から麦茶のポットを出そうして、ドアポケットを避ける為に僅かに身体を逸らせた瞬間、鈍い痛みが走った。 「ちょっ、大丈夫ですかっ」 麦茶のポットを落としそうになり慌てて掴んだ。 割らなくて良かった… え、あ…… いつの間にか傍に来ていた古志に、そのポットをひょいと取り上げられる。 「あ…すみませ、」 「やっぱ、腰痛いんだろ。 後は俺が用意しますから先に座っててください」 そっと背中を押され、情けなさに眉が下がる。 「代わりに洗濯物頼みますよ」 「はい」

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